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マカク属サル類CD4遺伝子クローニングと発現:AIDS発症モデル系確立をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 05454120
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 基礎獣医学・基礎畜産学
研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

巽 正志  国立予防衛生研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (00133629)

研究分担者 森川 茂  国立予防衛生研究所, ウイルス第1部, 主任研究官 (00167686)
松浦 義治 (松浦 善治)  国立予防衛生研究所, ウイルス第2部, 室長 (50157252)
研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
キーワードマカク属サル / CD4遺伝子 / V1ドンメイン / HIV・1 / CD4分子 / V1ドメイン / SIV / HIV / 動物モデル
研究概要

各種サル類のCD4遺伝子のクローニングをおこない、特にHIV・1gp120との結合部位であるV1ドンメインに注目して比較した。アフリカミドリザルおよびアカゲザルは胸腺細胞から、ブタオザル、ニホンザルおよびリスザルはCon Aで刺激末梢血リンパ球を自作の組み換えカニクザルIL2を用いて大量に培養したのち酸-フェノール法にて全RNAを分画し、OligodT30でmRNAを精製した。先にクローニングしたカニクイザルCD4遺伝子の塩基配列からCD4コード領域をはむプライマーを設計し、先のmRNAを鋳型にRT-PCR法にて、各々のサルCD4遺伝子を増幅し、T vectorに組み込み、各種サルCD4遺伝子の全塩基配列を決定し、ヒトCD4遺伝子を含めてHomologyを検索し、併せて種間のアミノ酸変異を調べた。いずれのサルCD4遺伝子もコード領域は1377塩基459アミノ酸残基から構成され、ヒトCD4遺伝子と比較してミドリザルを含めたマカク属サルでは、分子全域にわたり高い相同性を示したが、新世界サルのリスザルでは80%弱と若干低い相同性を示した。アミノ酸配列レベルでは、分子全体でヒトCD4とカニクイ、アカゲ、ニホン、ブタオザルの順でマカク属サルCD4が高い相同性を示し、その変異部位も種間で一定の傾向が認められ、V1ドメインではアミノ酸の置換はどのサルでもHIVの結合部位と想定されているCDR1およびCDR2領域内あるいはその近傍に集積していた。唯一細胞外ドメインで鎖内S・S結合を有しないV3ドメインがヒトとマカク属サル間で3アミノ酸のみの置換に留まり、高い相同性は示したことことは、ヒトCD4分子のこのドメインを認識する単クローン抗体OKT4がHeLa細胞に発現したカニクイ、アカゲおよびニホンザルCD4分子と交差反応をすることと符号するものと考えられた。アフリカミドリザルも変異部位はマカク属サルと多少の異同はあるものの90%におよぶ相同性を示したのに比して、新世界サルのリスザルのみが80%と若干低い相同性を示した。一方各ドメイン間での比較では、膜内および細胞内ドメインはリスザルも含めてよく保存されており、この部位のリンパ球活性化における刺激伝達系に関わる部位は、その重要性からか系統を超えてよく保存されていることが伺われた。得られた各種サルCD4分子をヒト株化細胞HeLaにStableに発現しHIV・1に対する感受性をRT assay,Syncytium assayおよびPCR法によるProviral DNA検出で検索したところ、いずれのマカク属サルおよびミドリザルCD4発現細胞でもProvirusの組み込みを認めたが、ヒト、ニホンおよびミドリザルCD4発現細胞ではSyncytium形成したのに対して、カニクイ、アカゲおよびブタオサルCD4発現細胞ではSyncytium形成は認められなかった。ニホンザルと他のマカク属サルCD4分子はV3およびV4ドメインで数個のアミノ酸の相違しかないので、HIV・1のSyncytium形成におけるCD4分子のgp120との結合部位であるV1ドメイン以外にもV3とV4ドメインが関与していることを示している。また各種サルのV1ドメインのCDR領域にアミノ酸の置換が集積しているのにも拘わらずHIV・1の感染が成立したことは、gp120とV1ドメインの結合は当初考えられていたより可塑性があることが判明した。

報告書

(3件)
  • 1994 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 巽 正志、武田 直和: "ウイルスレセプターとしてのCD抗原" 医学のあゆみ. 別冊. 68-73 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TATSUMI,M.& TAKEDA,N.: "CD Antigens as Virus Receptors (in japanese)" IGAKUNO AYUMI. Supplements. 68-73 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 巽 正志、武田 直和: "ウイルスレセプターとしてのCD抗原" 医学のあゆみ. 別冊. 68-73 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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