研究課題/領域番号 |
05454134
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
和気 健二郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00046963)
|
研究分担者 |
佐藤 哲二 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10162447)
妹尾 春樹 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90171355)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
|
キーワード | 肝臓 / 類洞壁細胞 / Kupffer細胞 / 四塩化炭素 / 肝障害 / プロスタグランディンE_2 / 類洞周囲腔 / 星細胞 / 肝類洞壁細胞 / リンパ球 / 類洞周囲星細胞 / クラスII抗原陽性細胞 / 肝類洞 / リンパ管 |
研究概要 |
肝類洞壁細胞の動態を知るため、肝臓を生きたま々位相差顕微鏡にセットしたビデオ装置を用いて類洞を撮影するとともに、類洞周囲の星細胞を分離培養しその動態を観察した。 正常マウスの肝類洞腔にはKupffer細胞のほか、少数のリンパ球が内皮に接着する像が観察された。四塩化炭素を投与したマウスの肝臓では肝小葉の中心帯に脂肪変性がみられ、肝血流速度の低下がみられ、類洞内皮に多数のリンパ球や単球と思われる細胞が接着し、血液の流れを悪くしていた。これら接着した細胞の一部が血流に抗してアメーバ状に移動する。また生じた肉芽腫内では細胞が渦巻き状の運動をしていた。以上の結果は、炎症時における炎症細胞の運動を示すもので、肝の病態解析に示唆を与えるものである。 培養星細胞は、2日後に線維芽細胞様の形態を呈するようになる。分離培養後2日以内では、樹枝状の突起をのばし、生体の形態に類似しているので、その変化がどうして起るのか、実験的に解析した。先づKupffer細胞の培養上清を加えると、線維芽細胞様の形態は樹枝状へ変化した。培養液にプロスタグランディンE_2を加えても同様の変化を示した。このことから、樹枝状の形態は、活性化したKupfferの細胞が放出するプロスタグランディンE_2によって維持されている可能性を示している。 星細胞の樹枝状の突起には、多数の棘状突起が突出し、その先端は肝実質細胞に接着していることを報告した。星細胞は収縮することが知られているので、収縮に際して実質細胞の細胞膜が引張られ、肝細胞間の憩室が拡大し、陰圧になった類洞周囲腔へ血液の液性成分が流入し、逆に星細胞が弛緩すれば憩室は閉じ、液は類洞周囲腔から類洞腔内へ流入すると考えられる。このような液の交換機構によって活発な肝実質の代謝が行われていると推測される。
|