研究課題/領域番号 |
05454136
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
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研究分担者 |
稲井 哲一郎 (稲井 哲一朗) 九州大学, 医学部, 助手 (00264044)
倉岡 晃夫 九州大学, 医学部, 助手 (30253412)
飯田 弘 九州大学, 医学部, 講師 (70150399)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ギャップ結合 / 細胞間結合 / コネキシン / 免疫標識 / 肝細胞 / ハーダー腺 / 乳腺 / 蛋白リン酸化 / 筋上皮細胞 / 培養細胞 / コネキソン / ディープエッチレプリカ / マイカ細片法 / 心房筋 |
研究概要 |
1.ギャップ結合の構成分子コネキシン(Cx)には、一群のCx蛋白ファミリーが存在する。本研究計画では、この多様性を各々のCxに特異的なペプチド配列にたいするウサギ抗血清などを分別標識にもちいて(1)ギャップ結合斑の分子構成および、(2)組織分布と機能発現の対応の両面から、分子構築学的解明を試みた。 2.ギャップ結合単位粒子の分子構成:肝臓から分離精製したギャップ結合膜を、界面活性剤処理して、ネガチブ染色・急速凍結ディープエッチレプリカで観察し、単離された構成単位粒子は中央陥凹をもつド-ナツ状粒子構造を示すことを確認した。さらに高速液体クロマトグラフィーで精製した六量体をCx26とCx32の親和性カラムで分離後、それぞれが混在せず個別の免疫ブロット像を示すことから、単位粒子はCx26かCx32かどちらかの単一蛋白のみで構成されていることが示唆された。 3.各種組織における共存状態:(1)脂質分泌線であるハーダー腺の腺房間には、唾液腺とは異なりCx32は発現されずCx26のみが分布した。また筋上皮間にはCx43が分布し、分泌物の産生と排出のための収縮という二つの異なる細胞機能集団では別種のギャップ結合蛋白が発現し、個別の独立した細胞群を構成していると考えられた。(2)一方乳腺腺房の妊娠・分娩・授乳・離乳に伴う変動では、Cx26、Cx32、Cx43のそれぞれが、RNA転写レベル・蛋白質発現レベル・さらにリン酸化状態で個別に特徴的な調節をうけることが判明し、細胞機能状態と連関した動的な発現と分子構築をとることが示唆された。 4.今回の研究結果から、細胞間交流を担うギャップ結合の構成蛋白は、組織の種類と活動状態に応じて多様な発現を呈し、細胞機能の調節に密接に関連することが示された。今後さらに個別のCx蛋白について遺伝子転写調節因子と蛋白機能活性発現の分子レベルでの調節機構の解明を進めていきたい。
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