研究課題/領域番号 |
05454141
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80010081)
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研究分担者 |
尾田 正二 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50266714)
白石 浩一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50256476)
白川 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40241070)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 哺乳動物卵 / 受精 / 細胞内カルシウム / カルシウム波 / カルシウム振動 / イノシトール三リン酸受容体 / 小胞体 / 細胞内信号伝達 / 細胞内カルシウムイオン / カルシウムイオン / イノシトール3リン酸 / イノシトール4リン酸 / カルシウム画像解析 |
研究概要 |
受精時の卵細胞内Ca^<2+>濃度(Ca)の上昇は卵賦活の引き金となる。我々は既に、哺乳動物卵のCa増加は精子付着部位から全体に伝播するCa波と、繰り返しおこるCa振動を示し、イノシトール三燐酸受容体(IP_3R)を介する小胞体(ER)からのCa遊離によることを解明した。本研究はこれら空間的、時間的Caシグナルの成因を解析した。 1.精子一卵の接着・結合に関わる細胞膜上の蛋白質に関して、リガンドや抗体による刺激はCa増加反応を誘発せず、細胞内信号伝達としてチロシンキナーゼのインヒビターは受精時のCa反応を抑制しなかった。即ち表面分子を介するシグナル発生の証拠が得られず、精子細胞質から卵内に誘導される物質が重要ではないかという結論に達した。なお精子一卵結合にMg^<2+>が重要な因子であることを明らかにした。 2.繰り返すCa振動(Ca遊離)の成因に関して、ハムスター卵でイノシトール四燐酸(Ip_<4+>)で活性化される細胞外からのCa流入経路の存在を証明し、流入したCaがERを再充填して次のCa遊離を可能にする機構を支持する結果を得た。 3.共焦点レーザー走査顕微鏡を用い、Ca波が細胞質深部に伝播すること、核内も細胞質と同様のCa増加を起こすことを確認した。 4.脂溶性蛍光色素DiIをハムスター卵内に注入し、レーザー顕微鏡で観察した結果、ERは細胞全体に亘る綱目構造を形成しており、免疫組織化学によって同定されたIP_3Rの分布と一致した。 5.米成熟卵では、ER及びIP_3R表層の細胞質と核周辺にパッチ状に密に偏在しており、低濃度のセロトニンによる刺激、予め注入したcagedIP_3の光分解によるCa遊離は、周辺の細胞質、核周辺で感受性が高いことを観察した。ERの卵全体への分数がCa波の形成に必要な成熟過程であることを明らかにした。 得られた結果は学会、学会誌に発表した。また、「哺乳動物卵受精時のCa波とCa振動とIP_3R」「IP_3Rを介する空間的・時間的Caシグナリング」に関する総説を発表した。
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