研究課題/領域番号 |
05454165
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 孝雄 東京大学, 医学部(医), 教授 (80127092)
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研究分担者 |
本田 善一郎 東京大学, 保健センター, 助手 (70238814)
粂 和彦 東京大学, 医学部(医), 助手 (30251218)
和泉 孝志 東京大学, 医学部(医), 助手 (70232361)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / MAPキナーゼ / ウオルマニン / 甲状線ホルモン / 脱感作 / 甲状腺ホルモン / リン酸化 / 受容体 |
研究概要 |
PAF.(血小板活性化因子)の生理作用とその分子機構について、次の様な知見を得た。 (1)PAF受容体を介するシグナル伝達の解析 PAF受容体を強制発現させたCHO細胞を用いた解析より、受容体は少なくとも2種類のGタンパクと共約し、イノシトールリン脂質の代謝回転とカルシウムイオン増加、アデニル酸シクラーゼ阻害、MAPキナーゼの活性化とホスホリパーゼA2の活性化によるアラキドン酸遊離を引き起こすことが明らかになった。天然のPAF受容体を発現しているモルモット腹腔好中球を用いた解析でも、CHO細胞と同様の反応が見られること、また、細胞内カルシウムに依存しないMAPキナーゼ活性はwortmanninで阻害されることが明らかとなり、MAPキナーゼ上流にP13キナーゼの存在が示唆された。 PAF受容体の細胞質ドメインを欠失したり、リン酸化部位であるセリン、スレオニンをアラニンに変化させた受容体変異体では、シグナルの脱感作がおこらず、ホスホリパーゼCの活性化、アデニル酸シクラーゼの阻害、MAPキナーゼの活性化のすべての面で、活性上昇が起きていることが明らかとなった。 (2)PAF受容体遺伝子の解析 ヒトPAF受容体は2つの異なるプロモーターに支配される二つの転写物を有することは既に報告したが、それぞれのプロモーターをより詳細に解析したところ、白血球に強く全身臓器に発現するI型受容体プロモーターはエンドトキシンやPAF自身、ホルボールエステルに反応し、転写活性を高めるNF-κBを有すること、また、白血球や脳には発現せず、組織特異的発現を示すII型プロモーターはTGF-β,estrogen,retinoic acid、甲状腺ホルモンなど種々のホルモンやビタミンで発現が制御されることが明らかとなった。さらに、これらのホルモン類に反応するエレメントの同定が行われた。
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