研究課題/領域番号 |
05454166
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 (1994-1995) 東京大学 (1993) |
研究代表者 |
遠藤 玉夫 東京都老人総合研究所, 糖鎖生物学部門, 研究室長 (30168827)
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研究分担者 |
古川 清 東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 研究室長 (10190133)
木幡 陽 東京都老人総合研究所, 所長 (30030852)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 免疫グロブリンG / リウマチ / ガラクトース転移酵素 / 糖蛋白質 / 抗体機能 / 糖鎖変化 / 免疫グロブリンM / 免疫グロブリンA / 糖鎖異常 / 糖鎖構造変化 |
研究概要 |
リウマチ患者の血清IgGの糖鎖ではガラクトースの含量が異常に低下し、それはガラクトシル化機構の異常に起因しているが、IgG糖鎖のガラクトース量を高感度で検出する方法の開発に成功した。これはガラクトースが消失し新たに出現するN-アセチルグルコサミンに着目し、これと特異的に反応するムジナタケレクチンを利用した方法である。必要血清量は1μ1以下と微量である。従来の血清診断法であるリウマチ因子の検出法により高感度でかつ特異性が高いことが判明し、糖鎖変化を利用した新しいリウマチ診断法としても期待される。この方法で加齢に伴うIgGのガラクトースの減少や同一リウマチ患者で血清より滑液中のIgGの方がよりガラクトースが減っていることを明らかにした。次に、IgGの抗原結合部位におけるグリコシル化の生物学的意義について探った。アミノ酸部位指定変異法を用いて抗デキストラン抗体の3つある相補性決定領域のうち2番目の領域(CDR2)に遺伝子工学的に糖鎖を導入し、付加した糖鎖の構造及び抗原との親和性に対する影響を調べた。その結果、CDR2への糖鎖導入は、その導入位置によって形成される糖鎖構造及び抗原親和性に及ぼす影響は著しく異なることが判明した。ペプチド上でアミノ酸数残基異なるだけで糖鎖の成熟度が違ってくる現象は非常に興味深く、複雑な糖鎖のプロセッシッシング機序を解明してゆくうえで有効なモデルとなるであろう。本研究により糖鎖による抗体機能改変の可能性が示され、癌関連抗糖鎖抗体などの利用範囲が一段と広められることが期待される。さらに、医薬として応用され始めているIgG抗体の開発領域にも大いに貢献することになろう。
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