研究課題/領域番号 |
05454170
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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研究分担者 |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
亀山 正樹 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60150059)
小林 圭子 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70108869)
堀内 正久 鹿児島大学, 医学部, 助手 (50264403)
友村 美根子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (30217559)
浦本 裕之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (50253860)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | カルニチン / 高アンモニア血症 / 尿素サイクル / 心肥大 / differential display / AP-1 / 長鎖不飽和脂肪酸 / JUS(juvenile Visceral Steatosi s)マウス / c-jun / JVS(Juvenile Visceral Steatosis)マウス / jvs(juvenile visceral steatosis)マウス / グルココルチコイド / Atrial natriuretic factor / 膜輸送活性 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
本研究によってJVSマウスの一義的な病因は腎臓におけるカルニチン輸送系にあることが明らかになった。欠損する輸送体の性質は、(1)ナトリウム依存性であること、(2)カルニチンに対する親和性が高いこと(血清カルニチン濃度に対応する)、(3)アセチルL-カルニチン、カルニチン合成の前駆体であるγ-BB、およびD-カルニチンによって強く阻害されること、などである。またこれらの検討からカルニチンの前駆体であるγ-BBが、JVSマウスで欠損するカルニチン輸送体で再吸収されること、これを欠損するJVSマウスでは尿中に排泄されることが推察され、事実その通りであることが判明した。この事実は、JVSマウスにおいては、カルニチン生合成系自体は正常であるが、γ-BBが再吸収されないことで二次性にカルニチン合成障害を来していることを意味する。一方、金沢大学グループとの共同研究でjvs遺伝子の染色体座位を決定することができた。肝臓における尿素サイクル酵素をはじめとする比較的に肝臓特異的、またグリココルチコイドで誘導される遺伝子の発現抑制には、カルニチン欠乏による脂肪酸の蓄積が関与する可能性を本研究は強く示唆した。特に長鎖不飽和脂肪酸に、グリココルチコイドによる転写促進作用を抑制する効果が強い。その作用はAP-1結合活性を介している可能性が高い。一方、心肥大発症の機構はまだ全く不明である。カテコールアミンがその一部の原因として同定されたが、カテコールアミンの代謝亢進を起こす原因は不明である。また、カテコールアミン以外の因子を探す必要がある。既知の圧負荷モデルや心筋梗塞モデルなどの心肥大で明らかにされているANPや骨格筋型α-アクチンの遺伝子転写亢進は同様に観察されたが、β-MHC遺伝子の転写促進は見られないことから、従来の心肥大とは異なることを明らかにした。さらにdifferential display法を用い、未知の遺伝子や既知だが心肥大との関連は知られていない遺伝子の発現偏倚発見を試み、これまでにいくちかの候補遺伝子を見つけだした。
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