配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
歯周病原性細菌のPorphyromonas gingivalisをとりあげ,そのLPSの免疫学的特異性を明らかにした.次にLPS刺激後の宿主免疫反応としてのB細胞活性化機構を明らかにすることを目的に,C3H/HeJおよびC3H/HeNマウスB細胞を対象にLPS刺激後のチロシンリン酸化反応の検討を行った.さらにP. gingivalisのfimbriaeについても免疫学的,分子生物学的に検討を加え,以下の結論を得た. 1.種々のP. gingivalis株より精製したLPSには共通抗原性が認められた. 2.LPS刺激によるB細胞チロシンリン酸化反応を検討した結果,マウス脾臓B細胞中にチロシン残基が特異的にリン酸化される分子量,26.0kDaおよび24.8kDaの少なくとも2つの基質タンパク(それぞれp26.0,24.8)が存在することが明らかとなった. 3.p26.0およびp24.8は,C3H/HeJおよびC3H/HeNマウスに共通して存在し,B細胞内の細胞膜画分中に局在することがすることが強く示唆された. 4.大腸菌由来のLPS(EcLPS)刺激では,C3H/HeNマウスB細胞にはp26.0およびp24.8が認めらえたが,C3H/HeJマウスB細胞では認めらえなかった. 5.EcLPS刺激後C3H/HeNで認められたリン酸化基質タンパクのバンドは,P. gingivalisのLPS(PaLPS)刺激後認められたバンドと一致することから,異なるLPS刺激によってもB細胞内では同一の経路を介してシグナル伝達が行われていることが強く示唆された. 6.LPS刺激後の細胞内チロシンリン酸化反応およびマイトジェン活性は,ともに細胞内チロシンリン酸化反応抑制剤であるハービマイシンAによる前処理で完全に抑制されたことから,PgLPS刺激によるB細胞の活性化には細胞内チロシンリン酸化反応が必須であることが示唆された. 7.種々のP. gingivalis株のfimbriaeの免疫学的特異性を検討した結果,LPSとは異なり,P. gingivalis株間の差異が認められた.遺伝子レベルでのfimbriaegeneの検討からもP. gingivalis株ごとの特異性が認められた.
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