研究課題/領域番号 |
05454239
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島田 薫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30170939)
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研究分担者 |
毛利 洋 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (30242118)
安岡 彰 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80242113)
杉山 弘高 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70242112)
岡 慎一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20194326)
木村 哲 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60010352)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1993年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 特発性免疫不全 / エイズ / HIV / ICL / HICRV / 好中球機能 |
研究概要 |
後天性免疫不全症候群(エイズ)の大部分はヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によるものであるが、ごく一部に特発性CD4陽性T細胞減少症(ICL)によるものがある。今回我々の施設を受診した患者の中にICLと考えられる者を4名見出したので、その原因がhuman intracisternal retrovirus(HICRV)によるものかどうかを検討し、また細胞性免疫以外の生体防御能をみるために好中球のスーパーオキサイド(SO)産生能を検討した。 症例1は27才女性。結核性胸膜炎で入院、CD4細胞数30〜70個/μ〓、抗HIV抗体(-)。胸膜炎は短期間で治癒したがCD4細胞数は依然低く、5年後でも318個/μ〓である。症例2は28才男性。帯状疱疹が生じ受診。CD4細胞数692個/μ〓。抗HIV抗体(-)。3ヶ月後CD4細胞数207個/μ〓に減少。症例3は34才男性。HIV感染を案じて来院したが抗体(-)。CD4細胞数348個/μ〓。その後2年間にわたり度々CD4細胞数を測定しているが220個〜330個/μ〓と常に低値。日和見感染症はない。症例4は28才男性。HIV感染を案じて来院したが抗体(-)。CD4細胞数は240個/μ〓と低値。その後5年間にわたり経過観察しているが300個〜680個/μ〓の間を上下している。日和見感染症はない。 患者リンパ球および血清を健常人リンパ球と長期間培養したが、合胞体形成や細胞障害性などウイルスの感染を示唆する変化は見られず、培養上清中に逆転写酵素活性も確認されなかった。また患者血清のウェスタンブロット法でもHICRVに対する抗体は認められなかった(名古屋市大医学部岡本尚博士との協同研究)。 一方、好中球機能のSO産生能はルミノールを用いケミルミネッセンス(CL)法で測定した。対照として健常人16名、およびHIV感染者18名の好中球機能を合わせて検討した。HIV感染者では病期に関係なくザイモサンによるCLは有意に低下している反面、細胞内情報伝達系を直接刺激するPMAによるCL反応は亢進していた。ICL4名ではザイモサン刺激時もPMA刺激時も健常人のものと大差なく、HIV感染症の場合とは異なることが示された。
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