研究課題/領域番号 |
05454249
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
飛田 渉 東北大学, 医学部, 講師 (10142944)
|
研究分担者 |
菊池 喜博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20195217)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1993年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 睡眠時無呼吸 / 閉塞型無呼吸 / 低酸素性肺血管攣縮 / 頸動脈体 |
研究概要 |
本研究では睡眠時無呼吸症候群において特に低酸素血症及び胸腔内圧の変化と循環障害との関連に焦点をあて、基礎的臨床的研究を行ない以下の研究成果が得られた。 (1)閉塞型無呼吸麻酔犬モデルによる基礎的研究:麻酔犬の頸部気管を切開し、気管カニュレを挿入し、電磁バルブで上気道を一定時間繰り返し閉塞した。この間の胸腔内圧、換気量、肺動脈圧、体血圧、動脈血酸素飽和度等、呼吸循環動態を測定し、酸素吸入下の成績と比較した。本実験より、間欠的上気道閉塞とともに肺動脈圧、体血圧は上昇するが、この上昇度は低酸素血症の程度に依存し、胸腔内圧の陰圧の程度には依存しないことが示された。更に、頸動脈体摘出麻酔犬で同様に間欠的に上気道閉塞を行なった場合、低酸素血症に伴う肺動脈圧上昇は依然として認められ、これはαブロッカーにより抑制され、低酸素性血管攣縮の一部はα受容体を介する反応であることが示唆された。一方、頸動脈体摘出により低酸素血症に伴なう体血圧上昇は抑制され、体血圧の上昇には頸動脈体を介する神経反射が関与していることが示唆された。 (2)睡眠時無呼吸患者における呼吸循環動態の臨床的研究:閉塞型無呼吸患者を対象に、指尖血圧計により体血圧を評価し、大脳オキシメーターによる大脳皮質レベルでの酸素飽和度測定を含むポリソムノグラフィーを測定し、繰り返し生ずる無呼吸発作に伴ない低酸素血症の増悪、体血圧上昇、大脳皮質レベルの低酸素状態の増強が認められた。更に、覚醒時に間欠的な低酸素負荷を行なった時の体血圧上昇程度と睡眠中の体血圧上昇程度を比較すると後者の反応が大であったことより、患者における睡眠中の体血圧上昇には低酸素による影響に加え、他の因子、例えば交感神経系の興奮、覚醒反応等の関与が示唆された。これらの研究成果は内外の学会や雑誌に発表され注目されている。
|