研究課題/領域番号 |
05454272
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 通敏 大阪大学, 医学部・付属病院, 教授 (30028401)
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研究分担者 |
北風 政史 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
楠岡 英雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (00112011)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
堀 正二 大阪大学, 医学部, 講師 (20124779)
佐藤 洋 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | アデノシン / ischemic preconditioning / 5′-nucleotidase / α_1アドレナリン受容体 / 虚血・再潅流障害 / 5'-nucleotidase |
研究概要 |
アデノシンのischemic preconditioningにおける心筋保護効果を検討するため、麻酔開胸犬にて冠動脈左前下行枝を5分間隔にて結紮し、その後40分間虚血を作成・再灌流し、アデノシン流出量を経時的に測定した。Ischemic preconditioning群では、対照群に比べ再灌流中のアデノシン遊出量が2〜3倍に増大した。この時、アデノシン産生酵素である心筋5′-nucleotidase活性が、二倍近く増大した。さらにecto-5′-nucleotidase阻害剤であるα、β-methyleneadenosine 5′-dishosphate(AOPCP)を、ischemic preconditioning中及び再灌流1時間後まで冠動脈投与したところ、ischemic preconditioningによる心筋壊死縮小効果が全く消失した。このことから、ischemic preconditioningによるetco--5′-nucleotidase活性化が心筋壊死縮効果と直接的な因果関係にあることが示された。つぎにα_1アドレナリン受容体刺激-5′-nucleotidase活性がischemic preconditioningに関与するか否かを検討した。まずischemic preconditioning操作中及び再灌流1時間後までα_1アドレナリン受容体遮断剤であるプラゾシンを投与し梗塞サイズを検討したところ、ischemic preconditioningによる心筋壊死縮小効果は消失した。またプラゾシン投与により、ischemic preconditioningによる5′-nucleotidase活性化は抑制された。逆に、ischemic preconditioningのかわりに、メトキサミン(40μp/kg/min,ic)を5分間・5分間隔にて4回投与し、90分虚血を作成したことろ署明な梗塞サイズ縮小が観察された。さらに、このメトキサミン投与にてischemic preconditioningと同程度の5′-nucleotidase活性増加が生じること、またAOPCPをメトキサミンと同時に投与すると、メトキサミンの心筋保護効果は消失した。このことから、ischemic preconditioningの心筋壊死縮小効果はα_1アドレナリン受容体刺激protein kinase C活性化を介するectosolic5′-nucleotidaseの活性化・アデノシン産生量増大によることが示された。
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