研究課題/領域番号 |
05454279
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
荒川 規矩男 福岡大学, 医学部, 教授 (90078783)
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研究分担者 |
木下 昭生 福岡大学, 医学部, 講師 (40258546)
笹栗 学 福岡大学, 医学部, 講師 (00178675)
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (20131807)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | キニン / アンジオテンシン / セリンプロテアーゼ / キマ-ゼ / トリプターゼ / PAI-1 / 冠動脈平滑筋 / ヒト心臓キマ-ゼ / 血管平滑筋細胞 / ヒト心臓キマーゼ |
研究概要 |
1.(1)運動負荷時の血中アンジオテンシンIIの増加は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の前投与により約50%抑制され、ACE阻害薬とセリンプロテ-ゼ阻害薬の併用によりさらに抑制された。したがって、運動中のアンジオテンシンII産出にはキニン・テンシン系酵素の関与が示唆された。 (2)ヒト尿カリクレインがヒトアンジオテンシノーゲンから直接アンジオテンシンIIを生産しうることを証明した。 2.アンジオテンシンIIはヒト由来の培養平滑筋細胞に対して肥大(蛋白/DNA比増加)促進作用を有していた。 また、この平滑筋細胞はACE阻害薬に感受性を示すアンジオテンシンIからIIへの変換能も有していた。 3.(1)ヒト組織ホモジネートの膜分画のアンジオテンシンIからIIへの変換能は心室と肺で高く、いずれもACE活性よりもキマ-ゼ様活性が優位であった。 (2)培養ヒト大動脈内皮細胞を材料として逆転写PCR法により検討したが、キマ-ゼのmRNAを検出できなかった。 4.ヒトの剖検時に得られた肺と大動脈のトリプターゼを含む分画にAngIからのAngII産生能を認めたが、この活性はいずれもChymostatinでほぼ完全に抑制された。つまり肥満細胞にキマ-ゼと共存するトリプターゼはアンジオテンシンII産生能を欠き、キニン・テンシン系酵素として作動する可能性は否定された。 5.アンジオテンシンIIは用量依存性にヒト冠動脈由来の平滑筋細胞のPAI-1mRNA量を増加させ、培養上清中のPAI-1蛋白量と活性を増加させた。従ってアンジオテンシンIIは線溶活性抑制作用を介して血管病変形成に関与することが示唆された。今後、動脈硬化に対する影響について臨床的検討を予定している。
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