研究課題/領域番号 |
05454282
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
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研究分担者 |
鈴木 洋一 東北大学, 医学部, 助手 (80216457)
呉 繁夫 東北大学, 医学部, 助手 (10205221)
松原 洋一 東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | マルチプルカルボキシラーゼ欠損症 / ビオチン / ホロカルボキシラーゼ合成酵素 / HCS / ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症 / HCScDNA / 遺伝子変異 / 遺伝子診断 / ビオチン依存症 / PCR-SSCP / HCScDNAの発現 / 新生児マルチプルカルボキシラーゼ欠損症 / cDNA / クローニング / ノーザンブロット |
研究概要 |
新生児マルチプルカルボキシラーゼ欠損症は著明な代謝性アシドーシスを呈する有機酸代謝異常症である。ビオチン大量投与が有効であり、早期診断が重要である。本研究は、疾患の病因・病態を遺伝子レベルで解明し、遺伝子診断法の開発や適切な治癒方針の決定などの臨床応用を目的としてスタートした。先ず、牛肝のHCSの精製に成功し、その精製HCSのアミノ酸配列の情報をもとに、HCScDNAを世界に先駆けてクローニングすることに成功した。HCS遺伝子は21番染色体のq22.1にのみ局在しており、以前から議論のあった細胞質HCSとミトコンドリアHCSが別の遺伝子支配にあるか否かの問題に決着をつけることが出来た。日本人患者の遺伝子解析ではL237P変異とdel G1067変異が同定された。これらの変異は日本人患者では両変異で病因アレルの80%が説明出来ることから両変異は遺伝子診断に有用と思われる。また、L237P変異のホモ接合の患者はdel G1067変異を持つ患者より明らかに軽症であり、変異は予後判定の指標としても有用である。一方、西欧人5例の解析では、変異は6種類が見出されているが、高頻度変異がないこと、日本人と共通変異がないことが明らかとなった。HCS測定法としてカルボキシルキャリア蛋白(CCP)を基質とし、それへの^<14>C-ビオチンの結合能を見る方法を開発した。CCPは大腸菌の大量発現系で容易に得ることが出来、しかも長時間の保存が可能であった。本法は極めて高感度であり、患者の酵素学的診断はもとより、酵素の動力学的解析も可能であった。発現実験でL237P変異を持つcDNAからの発現酵素は量的には対照と殆ど変わらないが、HCS活性は全くなく、この変異が質的異常をきたす変異であることを示した。
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