研究分担者 |
斉藤 正好 千葉大学, 医学部附属放射線技師学校, 講師
山森 秀夫 千葉大学, 医学部, 講師 (00166836)
田代 亜彦 千葉大学, 医学部, 講師 (70143310)
布村 正夫 千葉大学, 医学部, 助手 (20208276)
斉藤 典男 千葉大学, 医学部, 助手 (50170519)
SAITO M Chiba Univ.Red.Tecn.Sch.Instruct.
斎藤 正好 千葉大学, 医学部・附属放射線技師学校, 講師
竹田 明彦 千葉社会保険病院, 外科臓器不全研究室, 医員
滝口 伸浩 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
進行癌の治療法開発を目的として,免疫療法剤OK-432の熱ショック蛋白の産生促進と,これを標的とするγδ-T細胞の活性化作用,温熱療法の放射線増感作用と,熱ショック蛋白の誘導作用をふまえて,放射線を基軸とした併用療法について検討した。 A.基礎的検討:家兎Vx-2偏平上皮癌を用いて検討した。放射線単独,温熱併用では一時的効果のみで,全例腫瘍死した。OK-432腫瘍内局注,放射線の二者併用,温熱を加えた三者併用は,常に共に著明な腫瘍の縮小と消失をみた。放射線量を減ずると二者併用の効果は減弱し,再増殖した。即ち三者併用が最も抗腫瘍活性が高かった。OK-432の静脈内投与では,三者併用は有効であったが,二者併用では効果がなかった。ヒトの進行癌と同等の大きさの実験腫瘍で,放射線,OK-432,温熱の三者併用が著効を奏したことは,この方法が,臨床応用して,極めて有望な方法であることを示すものと考えられた。 B.臨床的検討:(1)再発乳癌症例に,OK-432皮内注射免疫療法を施行,末梢血液中のγδ-T細胞動態を検討。γδ-T細胞は19症例の平均値では,投与前後で微増したのみであったが,5例,26%に著明な増加がみられた。(2)腫瘍内注入した症例では,いづれも著明に増加し,γδ-T細胞が活性化されていると考えられた。(3) OK-432局注,放射線の二者併用の再発横紋筋肉腫,温熱を加えた三者併用の胃癌再発,乳癌広範囲皮フ転移症例において,全例腫瘍は完全に消失,Vx-2腫瘍のモデル実験と全く同様な成績が得られた。 結論:検討してきた併用療法は,溶連菌製剤であるOK-432免疫療法と温熱療法を併用することにより,熱ショック蛋白と関連,γδ-T細胞の活性化が,温熱により増感された放射線効果とあいまって著効を示したものと推察され,臨床応用して極めて有望な方法と考えられた。
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