研究課題/領域番号 |
05454302
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊津野 格 信州大学, 医学部, 助教授 (80020783)
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研究分担者 |
小口 正彦 信州大学, 医学部, 助手 (50169257)
曽根 脩輔 信州大学, 医学部, 教授 (80028480)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 放射線治療 / field in field照射 / field within a field法 / 補償フィルタ / field with in a field法 / Radiation therapy / Compensator / Field within a field technique |
研究概要 |
毎回の治療で照射野の中にさらに原発巣に絞った照射野を設定して追加照射を行う方法(field within a field technique、FFRT)は、上咽頭癌への側方対向2門照射に適している。この場合、大きな照射野で上咽頭部に60Gy程度を、さらに上咽頭部に絞って10Gy程度を追加照射する。これによれば全治療期間が短縮され、患者の負担が軽減し、治療効果の面でも有利である。しかし、従来の方法では毎回の治療での手技に手間がかかるため、実際にはそれほどは使われてこなかった。また、上咽頭癌の側方対向2門照射においては、照射野内の体表面の凹凸が原因となってtarget volume内の線量分布が不均等になりがちである。 【目的】上咽頭癌の側方対向2門照射に3次元補償フィルタ(three-dimensional compensating filter、3DCF)を導入して線量分布を改善する。またその3DCFに工夫を加え、大照射野と小照射野による照射を同時に行うFFRTを開発し、従来のFFRTの欠点を解消する。 【方法】信州大学医学部放射線科はこれまでに3DCF作成システムを開発しており。本研究の発想は、この3DCFの1部を意図的に薄くし、その部に相当して高線量域を作り出すということにあった。まず、患者のCT像から、照射野内各部位の組織厚を数値としてシステムのパソコン内にあるマトリックスに記憶させた。計画した小照射野の位置をマトリックスに投影し、その小照射野に相当する部分以外の総ての数値に小照射野と大照射野の線量比を乗じ改変した数値に基づいて掘削機にスタイロフォームの鋳型を彫らせ、そこに融点鉛合金を充填してFFRT機能を組み込んだ3DCFを作成した。 【結果】3DCFに工夫を加え、全体として線量分布を均等にした上で、大および小照射野での照射が同時に行えるFFRTを開発し、これを上咽頭癌への側方対向2門照射に導入して臨床的有用性を認めた。
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