研究課題/領域番号 |
05454308
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小山 司 北海道大学, 医学部, 教授 (10113557)
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研究分担者 |
久住 一郎 北海道大学, 医学部, 助手 (30250426)
大森 哲郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00221135)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | Atypical antipsychotic drug / Clozapine / Serotonin-Dopamine antagonist / Schizophrenia / Negative Symptoms / Prefrontal Cortex / Extrapyramidal side effects / 非定型抗精神病薬 / 前頭葉皮質ドーパミン / clozapine / ドーパミンD_4受容体 / 恐怖条件付け / Dopamine / Noradrenaline / Transporter / Atypical Antipsychotics / Conditioned Fear |
研究概要 |
本研究では、現状の精神分裂病治療を飛躍的に向上させることが期待されているClozapineを中心とした非定型抗精神病薬の奏効機転について、精神薬理学的検討を行い、以下の諸知見を明らかにした。 (1)各種非定型抗精神病薬のin vivo脳内受容体占有率を算出し、共通のプロフィルとして、強いセロトニン5-HT_<2A>受容体阻害と弱いドーパミンD_2受容体阻害が見出された。 (2)脳内透析法を用いて、Clozapine投与による前頭葉皮質に優先的なドーパミン系の活性化作用を見出した。他の非定型抗精神病薬のうち同様の所見を認めたのはZiprasidoneのみであった。 (3)ノルアドレナリン、ドーパミン再取り込み実験、DSP-4によるノルアドレナリン破壊実験によって、ノルアドレナリン再取り込み部位からの交叉性ドーパミン再取り込みの事実を見出した。さらにClozapineとZiprasidoneのみがノルアドレナリン再取り込み部位に親和性を持つことが明かとなった。 (4)非定型抗精神病薬の慢性投与によって、線条体ドーパミンD_2受容体のup-regulationが生じないことを見出した。さらに5-HT_<2A>受容体阻害薬は定型抗精神病薬の慢性投与によるD_2受容体up-regulationを阻止した (5)不安のモデルである恐怖条件付けに対して、Clozapine、Olanzapine、ORG5222などの非定型抗精神病薬はその獲得過程を阻止し、そのED_<50>値は、各薬物のドーパミンD_4受容体に対するKi値に逆相関した。 以上の実験所見から、非定型抗精神病薬の作用機序として、前頭葉皮質ドーパミン系の活性化作用、セロトニン5-HT_<2A>およびドーパシンD_4受容体の阻害能が重要であり、陰性症状に対する改善効果、錐体外路系副作用の少なさなどの臨床的メリットに関与していることが示唆された。
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