研究課題/領域番号 |
05454312
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山脇 成人 広島大学, 医学部, 教授 (40230601)
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研究分担者 |
本橋 伸高 国立精神, 神経センター・武蔵病院, 医長 (30166342)
村岡 満太郎 広島大学, 医学部, 助手 (40229951)
早川 浩 広島大学, 医学部, 助手 (80243559)
内富 庸介 広島大学, 医学部, 講師 (60243565)
長田 昌士 広島大学, 医学部, 助手 (50233507)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 感情障害 / 細胞内カルシウム / セロトニン / 抗うつ薬 / 病態生理 / ノルアドレナリン / カルシウム拮抗薬 |
研究概要 |
平成5年度、平成6年度における研究から、感情障害者血小板においてセロトニン刺激性細胞内カルシウム濃度変化におけるピークの増加と半減期の延長が明らかになり、セロトニン-2A受容体-細胞内カルシウム代謝系の亢進が示唆された。この成因を解明する目的で、神経系由来培養細胞においてセロトニン-2A受容体などを介した細胞内カルシウム動員系-一酸化窒素-細胞内cGMP産生系という細胞内情報伝達経路を明らかにした。特にセロトニン-2A受容体-細胞内カルシウム動員系についてサイトカインとの相互作用があることを見出し、カルシウム動員系を中心とした細胞内情報伝達系の重要性を指摘した。感情障害治療薬の作用機序に関して、ラット海馬スライスにおいてリチウムがNa/K ATPaseなどの細胞内カルシウム濃度調節系の機能を変化させることによりノルアドレナリン刺激性細胞内カルシウム濃度上昇を抑制すること、初代培養神経細胞内において三環系抗うつ薬が細胞内情報伝達系に直接作用し、低濃度では脱分極性細胞内カルシウム濃度上昇を抑制し、高濃度では細胞内カルシウム濃度を上昇することを見出した。また、基礎検討として初代培養神経細胞においてN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)、γ-アミノ酪酸(GABA)による細胞内カルシウム濃度上昇が生じること、これらに対する神経ステロイドの作用を検討した。以上を総合的に判断すると、感情障害の成因にとって細胞内カルシウム調節系が重要な役割を担っていることが示唆される。しかし、この分野に関する研究はまだ始まったばかりであり、今後もさらなる発展が必要である。
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