研究課題/領域番号 |
05454328
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部(病), 講師 (90181130)
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研究分担者 |
田中 智之 東京大学, 医学部(病), 助手 (50227154)
花園 豊 東京大学, 医学部(病), 助手 (70251246)
三谷 絹子 東京大学, 医学部(病), 助手 (50251244)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / 急性転化 / 染色体転座 / AML-1 / EVi-1 / キメラ蛋白質 / 分化抑制 / 増殖促進 / Evi-1 / 転座型白血病 / t(3;21)転座 / AML1 / EVI-1キメラ遺伝子 / 転写因子 |
研究概要 |
t(3;21)(q26;q22)は、慢性骨髄性白血病の急性転化時ならびに骨髄異形成症候群の白血化時に出現する染色体転座で、血液幹細胞のacute leukemic transformationに関与すると考えられる.分子解析の結果、t(3;21)による染色体切断点の遺伝子の再構成によりAML1/Evi-1キメラ蛋白質が産生されることが判明した.このキメラ蛋白質は、N末側にruntドメインを含むAML1の一部を、C末側にEvi-1の全長を有する.生物学的解析によりAML1/Evi-1キメラ蛋白質は造血細胞の分化抑制と増殖促進に作用する可能性が示された.AML1、Evi-1は両者とも転写制御因子であり、キメラ蛋白質形成による機能変化が分化抑制と増殖促進を引き起こすと考えられるため、AML1/Evi-1の転写制御因子としての機能を解析した.その結果、AML1/Evi-1は、(1)AML1と同様にPEBP2部位に結合し、AML1によるPEBP2 部位に対する転写活性をdominantに抑制する、(2)AP-1活性を上昇させる、ことが明らかになった.さらに、AML1/Evi-1の転写制御因子としての機能ドメインの欠失変異体を構築して検討したところ、(1)の機能は、AML1のDNA結合領域であるruntドメインに依存し、(2)の機能はEvi-1と同様に第2zincフィンガー・ドメインに依存していることがわかった。以上の結果は、AML1/Evi-1が互いに独立した2つの機能を有する転写制御因子であることを示す.これらの機能が、それぞれ造血細胞の分化抑制と増殖促進に関与し、leukemic transformationに至るのではないかと推定された.
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