研究課題/領域番号 |
05454338
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
尾股 健 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50194634)
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研究分担者 |
阿部 圭志 東北大学, 医学部, 教授 (60004777)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高血圧 / 血管平滑筋 / 細胞増殖 / ネフロン / チトクロムP450 / プロスタサイクリン / イポキシエイコサトリエン酸 / 20-ヒドロキシエイコサテトラエノイン酸 / エポキシエイコサトリエン酸 / 本態性高血圧 / 自然発症高血圧ラット / シクロオキシゲナーゼ / プロスタグランディン / アラキドン酸 |
研究概要 |
高血圧の発症や維持には腎が重要な役割を果たしている。われわれは高血圧の病態における腎性脈管作動物質の役割を検討した。レニン・アンジオテンシン系、カリクレイン・キニン系、プロスタグランディン系、チトクロムP450系などの脈管作動物質はネフロン特異性があり、各部位のネフロン機能と密接に関連している。また、ネフロンの成熟と老化にともない著明な加齢変化を示す。また、本態性高血圧のみならず自然発症高血圧や食塩感受性高血圧モデル動物でも差異がみとめられる。高血圧では腎性降圧物質のカリクレイン・キニン系、プロスタグランディン系の産生低下が認められる。一方、アラキドン酸代謝系の第3経路であるチトクロムP450系により19-ヒドロキシエイコサテトラエノイン酸、20-ヒドロキシエイコサテトラエノイン酸が産生されるが、前者はNa-K-ATPaseを刺激し、後者は血管内皮細胞依存性の血管収縮作用を持つ昇圧因子である。高血圧ではこれらの産生が亢進している。さらに、培養メサンギウム細胞や血管平滑筋細胞では、シクロオキシゲナーゼ系のプロスタサイクリンとチトクロムP450系のエポキシエイコサトリエン酸は細胞増殖に対して相拮抗して作動している。すなわち、前者は細胞増殖を抑制し、後者は刺激する。アラキドン酸がシクロオキシゲナーゼにより代謝された場合には細胞増殖が抑制され、チトクロムP450により代謝された場合には細胞増殖が進展する。高血圧では前者が抑制され、後者の活性が亢進していることから、高血圧性血管障害や腎障害の進展機序にもこれらの脈管作動物質が関与していることが示唆される。
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