研究課題/領域番号 |
05454339
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 成 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (60170677)
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研究分担者 |
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50270913)
内田 信一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50262184)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 水チャネル / アクアポリン / クロライドチャネル / 腎臓 / ADH / 尿濃縮 / 輸送体 / クローニング / 膜タンパク / 腎輸送体 |
研究概要 |
本研究においては、腎臓の多彩な物質輸送を明らかにするため、水チャネルとClチャネルに焦点をあて、以下の3項目の解明を目指した。1)生理的意義:抗体を用いた存在部位の同定、調節メカニズムの解明、疾患での変化の有無。2)isoformのクローニング。3)蛋白構造と機能の関連。 研究は順調に進展し、その目的をほぼ達成することが出来た。水チャネルに関してはAQP3が側底膜に存在し、vasopressinや脱水状態によってもmRNA、蛋白合成、細胞内局在が変化しないことを確かめた。これはAQP2のmRNAがvasopressinでupregulationされるのと対比的である。ここにAQP2は調節型、AQP3は常在型と性質が異なることが明らかとなった。AQP2はADH刺激により細胞内で存在部位が変化することが示された。またAQP2のゲノム遺伝子をクローニングし上流側を検討し、cAMPや高浸透圧で転写の上昇が認められた。またAQP2の細胞内局在と蛋白合成も脱水時や肝硬変モデルで変化することも明らかにした。AQP2には256番目のserineにA-kinaseによるリン酸化が存在するが、たしかにこの部位にA-kinaseによるリン酸化が起こることを確かめ、その結果水透過性が50%増加することを示した。 Clチャネルについては、ClC-K1が免疫組織学的に腎尿細管ヘンレの細い上行脚に存在することを明らかにし、さらに電流の性質を尿細管で得られている電気生理学な結果と対比させることにより、ClC-K1がヘンレの細い上行脚のCl輸送に確かに働いていることを示した。またヘンレの太い上行脚と集合管に存在するClチャネル、ClC-K2についても報告した。一方尿細管全般に存在するClC-3についてはCHO細胞での発現細胞系の作成に成功し、バッチクランプ法によるsingle channelの解析に成功している。この結果、ClC-3は細胞内のCaによって閉じられるユニークなチャネルであることが明らかとなった。さらにClC-3と相同性の高いClC-5もクローニングした。
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