研究課題/領域番号 |
05454372
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小林 展章 愛媛大学, 医学部, 教授 (60135564)
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研究分担者 |
岩川 和秀 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (30243786)
松田 良一 愛媛大学, 医学部, 助手 (10243784)
嶌原 康行 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30196498)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1993年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 外科的胆汁うっ滞 / グルタチオン / GSH / GSSG / 胆汁酸 / ケトン体比 / エネルギーチャージ / 手術侵襲 |
研究概要 |
安全性とQOLを考慮した外科手術適応の拡大を目指して、大侵襲下手術後に生じる黄疸・胆汁うっ滞の病態解明を目的とした。 1.グルタチオン(GSHとGSSG)測定の精度と安定性を高めるため、HPLCに電気化学検出器を具備したシステムを完成し、GSHをn mol/ml、GSSGをp mol/mlのオーダーで血漿にても測定が可能となった。また、HPLC用ポンプと専用の蛍光検出器および脱気装置(デガッサー)を従来のHPLCシステムに具備し、15種類の胆汁酸の一括同時測定システムを完成した。 2.雄性ラット(300g体重)を用い、胆管結紮(BDL)にて黄疸モデルを作り、Higgins-Andersonの方法で70%肝切除(HR)を行い、夫々1、3、5、7日後、1、3、5、7、14日後に血液、肝組織、胆汁を採取した。また、BDL3日目に70%肝切除を行い(BDL+HR)1、3、5日後にサンプルを採取した。 (1)肝ミトコンドリアを分離調整し、ATP、ADP、エネルギーチャージ(EC)、RC、State3 resp、p/o比、PRを測定した。ECはBDL1日後に低下し、その後も持続した(0.83→0.68〜0.72)。HRでは同様直後より次第に低下し(5日目0.75)、14日後には正常化した。BDL+HRではECの低下が著明(5日目0.56)であった。(2)血漿中グルタチオンの正常値はGSHが2.2n mol/ml、GSSGが421p mol/mlであった。BDLによって直後より10〜20倍に上昇し持続したが、GSSGは余り変化しなかった。HRによりGSHは漸次上昇して5日目に46となったが14日目には正常化していた。GSSGは有意の変化を示さなかった。BDL+HRではGSHの上昇が正常値の100倍を示した。(3)胆汁酸(BA)の変化はBDLによって特に著明であり(TBA、Cholic acid(CA)、β-muricholic acid(β-MCA)、直後よりCA/β-MCA比が低下持続した。HRでは著明な変化を示さなかった。以上のグルタチオン、胆汁酸の変化は侵襲肝障害に対する防御的反応と考えられた。
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