配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
1.溶血試験 独自に開発した模擬循環回路に新鮮牛血を用いて,本ポンプと市販の遠心ポンプ(バイオポンプ)との比較を行った.ポンプ流量は51/minで揚程は100mmHgと150mmHgの2つの条件を設定した.また,磁気浮上型遠心ポンプのポンプ構造の改良に伴い,インペラ-の枚数やインペラ-とハウジングのギャップについて至適な条件を検討した.結果は1)磁気浮上型遠心ポンプはバイオポンプよりも溶血の点で少なく,血小板の破壊も軽度であった.また,回路中の温度上昇は小さかった.2)ポンプ構造の点ではインペラ-の枚数が多い方(16枚)が溶血は少なく,ギャップは小さいほう(0.15mm)が溶血が少なかった. 2.急性および慢性動物実験 急性実験は大型犬3頭を用い,24時間の連続運転でポンプ内面のコーティング方法の検討を行った.テフロン,シリコン,金で比較したところ,シリコンが抗血栓性に優れていることが判明した.慢性動物実験は体重40-55kgのヒツジを用い,左房脱血,下行大動脈送血の左心補助の形で2週間以上の連続運転を行った.最長45日の生存が得られた.ポンプ内血栓が1例,カニューラ内血栓が2例に認められた.ポンプ流量は3-51/minで安定しており,血液化学データ上臓器障害は認めなかった. 以上より,磁気浮上型遠心ポンプは長期連続運転が可能な遠心ポンプとしての位置つけが確立した.今後はさらに長期(3カ月以上)の慢性実験を継続させ,最終的には埋め込み型の補助心臓として重症心不全患者に装着できるようなポンプとしたい.
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