研究課題/領域番号 |
05454391
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | (財)田附興風会 |
研究代表者 |
瀧 俊彦 財団法人田附興風会, 医学研究所・第2研究部, 研究員 (60135605)
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研究分担者 |
人見 滋樹 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)
三宅 正幸 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ヒト型モノクローナル抗体 / 糖鎖抗原 / シアル酸 / カクテル療法 / 肺癌 / 乳癌 |
研究概要 |
我々は主に乳癌及び肺癌の再発患者を用いて、非修飾型のヒト型モノクローナル抗体を投与してきた。用いた抗体は、はじめの予定と異なりGalβ1-4GlcNAcβ1-Rの末端2糖を認識しているSI-1は、白血球減少等の副作用が強いため、実際に投与を行ったのは、Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-Rを認識しているSI-5及びGalβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-Rを認識しているMH21-134の2抗体であった。informed consentの問題もあり、対象とした患者は再発症例でしか不可能であったため、奏功率は20%(3/15)にすぎなかった。非修飾抗体だけで好成績をあげるためには、Koprowskiらの作成した17-1A抗体の大腸癌患者に見られるように、既に対象腫瘍が肉眼的に切除された症例であることが望ましいと考えられる。つまり初発患者の治癒切除後に投与群と非投与群の無作為比較試験を行うべきであった。また、研究以前に予測したのと異なり、切除標本から抽出した糖脂質を調べると、主な糖鎖抗原の変化としてはCDH・CTHなどが増加してくる不全現象は最初の数例にすぎず、その後の症例ではaberrant glycosilationの方が優位を示した。特にシアル酸の付加された酸性糖鎖への変化が著明であった。このことはより悪性度の高い腫瘍細胞が、Sialyl Le^xやSialyl Le^aなどのセレクチンファミリーのリガンドを有している可能性とも結びつき、非常に興味深い現象といえる。これからの研究の展開としては、このようなgangliosideに対するカクテル療法が望まれる。また、外科切除後の症例でない限り多種類の抗体を用いたカクテル療法とはいえ、あまり有効ではなく、抗癌剤などの修飾による抗体療法が望ましい。
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