研究課題/領域番号 |
05454402
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
原 充弘 杏林大学, 医学部, 教授 (30086607)
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研究分担者 |
佐久間 正 杏林大学, 医学部, 助手
小西 善史 杏林大学, 医学部, 助手
斉藤 勇 (斎藤 勇) 杏林大学, 医学部, 教授 (20186927)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | レーザー / 温熱療法 / 定位手術 |
研究概要 |
脳深部に発生した比較的小さな悪性腫瘍、特に悪性グリオーマに対し新しい治療方法、即ちNd:YAGレーザー(以下レーザー)を用いた定位的温療法の臨床応用を行う目的で実験を行った。 レーザー ファイバーは光が先端で80°C屈曲する直径600μのU1tra Line^<TM>ファイバー(Heraeus LaserSonics,Inc.)を用いた。利点は、術中レーザー ファイバーを回転させることにより、照射方向が変えられる。次に術中ファイバー先端の温熱効果を高めるため、周辺組織を虚血、乏血にする。その為熱に強く(<200°C)、またレーザーの透過生の良いシリコンシートで7Fバルーン カテ-ルを作製し、このカテーテル内へレーザー ファイバーを挿入する。至適生食水量0.6mlでバルーンを膨らませる。この時のバルーンの厚さ0.04mm、バルーンの直径8.2mm、長さ15.9mmとなる。これにより術中レーザー ファイバー先端に炭化巣が付着せず、また目的方向の広い範囲に温熱を効率良く加えることができる。 In vivo:全麻下でウサギの脳にレーザー バルーン プローブを刺入し、レーザー光の方向にレーザー ファイバーより10mm,15mm,18mm離れた部位にそれぞれ温熱測定プローブ(直径600μ)を挿入。10mmの温度測定プローブを45°Cにレーザー装置を自動制御。約4分で目的の温度(10mm,45°C)に到達する。 8匹のラット皮下移植グリオーマモデル(RGC6-CL2)を用い、それぞれ全麻下に腫瘍内へレーザープローブを刺入。ファイバーより10mm離れた部位を45°Cに設置し、5W,45分間加温した。術中0.6ml生食水でバルーンを膨らませると、腫瘍組織の血流量は10mmの離れた部位で約45%低下している。術後5日目のレーザー ポローブに軸切片の組織検索では、レーザー ファイバーを中心に約100°Cの扇形で、10mmの範囲内に境界鮮明な熱凝固層が作製された。10mmを越えた腫瘍細胞には何ら組織変化は認められなかった。 以上より腫瘍の広がりに応じてレーザー ポローブを回転させる事により、定位的laser温熱療法が効果的に、最小限の侵襲で行える。
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