研究課題/領域番号 |
05454416
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
花岡 一雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (80010403)
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研究分担者 |
山村 秀夫 東京大学, 医学部(病), 名誉教授 (60009884)
井手 康雄 東京大学, 医学部(病), 助手 (60193463)
角田 俊信 東京大学, 医学部(病), 助手 (80187806)
田上 恵 東京大学, 医学部(分), 助教授 (90107657)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 脊髄 / 単一細胞活動 / 後角 / wide dynamic range(WDR)cell' / 過換気 / ピンチ刺戟 / PaCO2 / 細胞外微小電極誘導法 / wide dynamic range / 脊髄後角単一細胞 / Wide dynamic range neuron / 自発発射 / 誘発発射 / ペアン鉗子ピンチ法 / Paco_2 |
研究概要 |
脊髄鎮痛機構における過換気の効果を検討する為に、脊髄横断ネコにおいて正常換気条件から段階的な過換気条件にして、Wide Dynamic Range(WDR)細胞の活動の変化を指標とした細胞外微小電極誘導法を用いて、自発発射数およびペアン鉗子ピンチ法による誘発発射数の変化を検索した。また過換気によるWDR細胞の反応の変化の作用機序について麻薬拮抗薬であるナロキソンあるいはα-拮抗薬であるフェントラミンにより影響を受けるかを検索し、内因性モルフィン様物質と内因性α-アドレナージック作動物質の関与の有無について検討した。 その結果、脊髄後角細胞の自発発射数およびペアン鉗子ピンチ法による誘発発射数は、共に動脈血中の炭酸ガス分圧の低下に相関して減少した。過換気から正常換気に戻すことにより発射数の回復がみられた。また過換気により低下した単一細胞活動に対するナロキソン静脈内投与による拮抗効果が観察された。同様にして、フェントラミンの脊髄表面滴下によっても拮抗効果が観察された。 これらの結果から、過換気はWDR細胞の反応に抑制効果を及ぼしていると考えられた。ナロキソン静脈内投与により、過換気による単一細胞活動への抑制効果が拮抗されたことから、この抑制機構には内因性モルフィン様物質が関与していることが推測された。また、α-アドレナージック拮抗薬であるフェントラミンも過換気による脊髄後角細胞活動への抑制効果を拮抗することから、α-アドレナージック受容体も関与していることが推測された。以上の結果から、脊髄鎮痛機構における過換気の効果には内因性脊髄後角細胞活動調節機構が関与しているためと考えられた。
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