研究課題/領域番号 |
05454417
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有田 英子 東京大学, 医学部(病), 講師 (10114357)
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研究分担者 |
花岡 一雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (80010403)
角田 俊信 東京大学, 医学部(病), 助手 (80187806)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1994年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 肝癌細胞 / 吸入麻酔薬 / インフルシン / セボフルラン / エンフルラン / ハロタン / 細胞培養 / ラット肝癌細胞 / 揮発性麻酔薬暴露 / イソフルラン / 死滅度 |
研究概要 |
吸入麻酔薬は神経系や免疫系あるいは各種細胞などに抑制的に作用することが知られている。本研究では、揮発性麻酔薬のラット肝癌細胞に対する作用をin vitroおよびin vivoで検索した。揮発性麻酔薬としては、イソフルラン、セボフルラン、エンフルラン、ハロタンを使用した。 培養肝癌細胞を、CO2培養器中の組織培養用ボックス中で、3〜5MACの揮発性麻酔薬に24時間暴露したところ、暴露しない対照群に比較してviabilityがやや低下したものの有意差は認めなかった。揮発性麻酔薬群間でも暴露後のviabilityに有意差はなかった。肝癌細胞をラットの皮下に生着させ、腫瘤を形成させた。大腿静脈より高カロリー輸液を施行し、また、気管切開を行って人工呼吸とした。IMACの揮発性麻酔薬を5日間投与し、対照群ではバルビツレートで麻酔を行った。両群とも筋弛緩薬を使用した。麻酔薬投与前と投与終了後に腫瘤の直径を測定し、変化率を比較した。対照群とそれぞれの揮発性麻酔薬吸入群の間に変化率の有意差はみられなかった。また、各揮発性麻酔薬間相互でも変化率の有意差はなかった。 In vitro、in vivoとも今回の研究では揮発性麻酔薬の癌細胞に対する抑制傾向はみられたものの、明らかな結果は得られなかった。培養実験では臨床から大きくかけ離れた高濃度を避けたこと、ラット生体実験では揮発性麻酔薬濃度が低濃度でしかも吸入時間が短時間であったことが、よい結果を得られなかった原因と考える。 ヒトはラットに比較すればかなりの負荷に耐えられ、マスクによる反復麻酔などの応用も効く。また、直線偏光近赤外線による温熱療法やエンドトキシンによる腫瘍壊死因子を利用した治療などとの併用により、さらに効果が期待できる。今後はこれら併用療法の研究を行っていく予定である。
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