研究課題/領域番号 |
05454421
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 助教授 (80175950)
|
研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | 脳虚血モデル / 砂ネズミ / 近赤外線組織酸素モニター / 核磁気共鳴画像 / ネオプテリン / 活性酸素 / マップII / 免疫組織化学的手法 / ビオプテリン / HPX-XOD反応系 / 好中球刺激系 / ネオプテリン抗体 / 砂ネズミ虚血脳切片 / 酸化型ヘモグロビン |
研究概要 |
2年間の研究期間を通じて、以下の研究を行った。 1.虚血中の脳酸素供給:脳虚血モデルとして砂ネズミの両側内頸動脈一時的結紮による全脳虚血モデルを用いた。虚血中の酸化型ヘモグロビン(oxy‐Hb)の増減を近赤外線組織酸素モニター(NIR)にて直接的に、一方核磁気共鳴画像(MRI)にて間接的に測定することにより、虚血中の脳酸素供給を評価した。8分間の虚血により、NIRでoxy‐Hbが大きく低下する一方でMRIで画像が暗くなる現象が把握できた。 2.虚血により生じる神経細胞障害:上記の脳虚血モデルを1週間飼育した後、組織固定液による全身灌流を行い、脳を摘出した。脳切片を作成し、神経細胞障害を反映する内因性マーカー(マップII)を指標に細胞壊死の部位と程度を判定した。8分間の虚血により海馬のCA1領域を中心に強い細胞障害が生じることが確認された。 3.活性酸素消去薬ネオプテリン(NP)の効果:虚血実験開始前に砂ネズミにNP(3mg/kg)を投与した場合、虚血中の脳酸素供給は低下するが、虚血による神経細胞障害は大きく緩和されることが分かった。 4.NPの作用機序についての研究:ヒポキサンチン-キサンチンオキシダーゼ反応系ならびに好中球刺激系において、NPH-4(NPの還元型)は、数mMの濃度で、それぞれの系で発生する活性酸素を消去した。一方、酸化型であるNPは、発生した活性酸素の消去は行わないが、活性酸素の発生を阻害する可能性が示唆された。 5.NP抗体の作成:NPは内因性物質であるため、脳虚血時には防御因子として組織に発現している可能性がある。そこで、家兎にNPを投与することでNPの抗体を作成し、この抗体による砂ネズミ虚血脳切片の染色を試みた。NPの抗体は、家兎にNPを投与後数週間で作成できた。しかし、この抗体による砂ネズミ虚血脳切片の染色は、虚血時の組織にNPの発現がないためか、技術的な問題があるためか、未だ成功していない。
|