研究課題/領域番号 |
05454425
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
工藤 一大 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30145700)
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研究分担者 |
大竹 美佳 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20233158)
西沢 英雄 横浜市立大学, 医学部, 助手 (30244479)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 誤嚥 / 肺炎 / ペントキシフィリン / 酸 / 血管内皮細胞 / 肺胞上皮細胞 / 透過性 / 誤嚥性肺炎 / TNF-alpha / 好中球 / Myeloperoxidase |
研究概要 |
平成5年度の目的:ウサギの右肺へ塩酸を注入したときの、(1)塩酸投与肺と反対側肺の肺胞上皮細胞、肺血管内皮細胞、胸膜のタンパク、水分透過性の経時的変化を知る。(2)ペントキシフィリン(PTX)がこれらのパラメータに及ぼす効果について検討する。 結果:塩酸注入により塩酸投与肺の肺胞上皮細胞、肺血管内皮細胞、胸膜のタンパク、水分透過性は亢進した。対側肺の肺血管内皮細胞のタンパク、水分透過性も亢進した。PTXの前投与は対側肺の肺血管内皮細胞のタンパク、水分透過性亢進を抑制した。 6年度の目的:(1)サイトカイン、好中球数とその活性化の経時的な変化を調べる。(2)PTXがこれらのパラメータや、心、腎、肝、小腸に及ぼす効果について検討する。 結果:(1)血中のTNF-αは塩酸投与1、2時間にのみ出現した。8時間後の肺胞洗浄液(BALF)中でも塩酸投与側で6例中4例でプラスであった(p<0.05)。PTXの前投与はTNF-αの出現を抑制した。(2)好中球の活性化の指標としてH_2O_2を調べた。これは塩酸投与30分後より増加した。PTXはこの増加を抑制した。(3)塩酸注入は、両側肺と小腸のミエロペルオキシダーゼ(MPO)、湿乾重量比(W/D)を増加させた。PTXは対側肺、小腸のこれらの増加を抑制した。(4)以上のPTXの効果は主にTNF-α出現の抑制作用によるのではと考え、TNF-αの抗血清を前投与してその効果を調べた結果、PTX前投与と同じ結果が得られた。 結論:塩酸の肺内注入は遠隔の対側肺、小腸の浮腫をきたす。これは血中に増加したTNF-αにより活性化された好中球がこれらの臓器に集積し血管透過性を増したためと考えられた。マクロファージのTNF-α産生、好中球の活性化を抑制するペントキシフィリンの前投与はこれらの反応を抑制した。
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