配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
1.I型アナフィラキシ-発症早期では,左室弛緩機能,左室等容拡張能はほとんど障害されていなく,また左室収縮能も比較的よく保たれていた(Acta Anaesthesiol Scand 39,791-796,1995)。 2.アナフィラキシ-時には内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS)の活性化により一酸化窒素(NO)が産生されていることを明らかにした。(Shock 2,381-384,1994) 3.アナフィラキシ-の発症後にNOS抑制薬循環動態の変化を非投与群と比較検討した。L-NAME投与群の平均動脈圧と右房圧は非投与群に比べ有意に高かった。アナフィラキシ-時に見られるヘマトクリック値の上昇は,L-NAME投与群では非投与群に比べ有意に抑制されていた。心拍出量等には2群間で差は見られなかった。NOS抑制薬はin vivoでアナフィラキシ-に伴う血管拡張による低血圧および毛細血管透過性亢進による血液濃縮を軽減するが,心機能抑制は改善しないことを明らかにした(Shock 3:447,1995))。 L-NAME前処置群では,対照群に比べ生存率が有意に低下し,アナフィラキシ-発症後にNO供与剤であるL-arginineの投与にて生存率が改善された。L-NAME前処置群では,心拍出量は,静脈環流が増加しているにも拘わらず対照群にくらべ有意に減少していた。またL-NAME前処理群においてL-arginineの投与により心抑制の程度が改善された。これらの結果から,NOはアナフィラキシ-時の心抑制に対して保護的に働いていることが明らかにした(Shock 4:143,1995)。 L-NAMEの投与はアナフィラキシ-に伴う気管支痙攣を増悪し,その増悪はL-arginineの投与により改善されることを明らかにした。このことは,アナフィラキシ-による気管支痙攣に対してもNOの産生は保護的に働いていることを示している(Shock 4:143,1995)。
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