研究課題/領域番号 |
05454430
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 助教授 (40004642)
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研究分担者 |
守山 正胤 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90239707)
佐藤 一成 秋田大学, 医学部, 助手 (90270842)
寺田 邦彦 秋田大学, 医学部, 講師 (60197796)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 膀胱癌 / c-erbB-2 / human NDF / 腎細胞癌 / HER-4 / EGFR family / urothelial carcinoma / renal cell carcinoma / heregulin / neu differentiation factor / urogenital cancer / urinary bladder cancer / renal cell cancer |
研究概要 |
c-erbB-2遺伝子は膀胱癌の増殖と進展への関与が示唆されている。そこで本腫瘍におけるc-erbB-2とそのリガンドhuman NDFの発現を検索し、両者の相互作用について検討した。 膀胱癌(32例)ではc-erbB-2遺伝子の増幅が2例(6.3%)に認められたが、human NDF遺伝子に増幅あるいは再編成といった異常は認められなかった。一方、c-erbB-2遺伝子の増幅に対するp53遺伝子の関わりをみるため、SSCP法でp53遺伝子の差異を検索した。その結果、p53遺伝子の点突然変異が32例中9例(28.1%)に認められた。しかし、癌遺伝子の増幅例のうちp53遺伝子の変異は1例(3.6%)のみであり本腫瘍のc-erbB-2遺伝子の増幅にはp53遺伝子の変異は必須ではなかった。 c-erbB-2遺伝子は膀胱癌の10例(31%)で正常組織に対して過剰発現していた。一方、human NDF遺伝子は膀胱癌,正常組織ならびに膀胱癌株細胞(5637)において低レベルの発現がみられた。以上の結果から、膀胱癌にはc-erbB-2とhuman NDFの自己分泌機構が存在し、c-erbB-2の過剰発現は癌の発生と進展を促進することが示唆された。 c-erbB-2の活性化のためには受容体型膜蛋白HER4の存在が必要とされている。そこで、腎細胞癌におけるhuman NDF、c-erbB-2、およびHER4遺伝子の発現を検索してみた。その結果、腎細胞癌20例ではhuman NDF遺伝子の過剰発現を1例(5%)に認めたが、c-erbB-2遺伝子の過剰発現は認められなかった。一方、HER4遺伝子は正常腎組織ではすべてで発現を認めたが、癌組織では発現を検出できなかった。human NDF遺伝子過剰発現の1例では、c-erbB-2遺伝子の発現は正常組織に比較して低レベルであった。これらのことから、腎細胞癌の増殖と進展にはhuman NDFとc-erbB-2の自己分泌機構の関与は少ないと考えられた。
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