研究課題/領域番号 |
05454435
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
|
研究分担者 |
寺島 保典 日本医科大学, 医学部, 講師 (80207480)
鈴木 聡 日本医科大学, 医学部, 助手 (70246940)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | Renal cell cercinoma / Gene Therapy / Recombinant viral vector / suicide gene / Tumor immunity / 遺伝子治療 / 腎細胞癌 / 自殺遺伝子 / 抗腫瘍免疫 / 組換えウイルスベクター / 組換えウィルスベクター / 腫瘍免疫 / 腎癌 |
研究概要 |
泌尿器科系の悪性腫瘍において腎細胞癌は手術以外に有効な治療法が確立されておらず化学療法や放射線療法に抵抗性で再発・転移巣の治療に苦慮する。90年よりアメリカで始まった遺伝子治療は、難治性の癌に対する新たな治療の可能性を持つものとして期待されている。我々は、マウスに移植可能な腎細胞癌RENCA Cellを用いて癌遺伝子治療のための基礎的研究を行った。 組換えウイルスベクターとしては、分裂・増殖細胞に特異的に遺伝子を導入することが可能なRetrovirus vecor (RV)を用いた。治療法としては、現在脳腫瘍を中心に臨床治験が行われているHerpes simplex virus thymidine kinase遺伝子(HSV-TK)とGCVを投与する方法を用いた。IISV-TK導入RV産生細胞を樹立しIn vivo,In vitroにおいて抗腫瘍効果を検討した。遺伝子導入細胞はwild typeの細胞に比べIn vitroで約1000倍のGCVに対する感受性を示し、この治療法の特徴の1つであるbystander effectも確認された。HSV-TK導入細胞をマウス皮下に移植し治療したin vivoの治療実験においても治療群でのみ完全な腫瘍の消失を認めた。さらに、治療後のマウスには腫瘍特異的なCD8+のCTLが誘導されていることが確認された。抗腫瘍免疫誘導の機序の解明のためHSV-TK導入細胞におけるCTLの標的分子であるMHC class Iについて検索を行った。遺伝子導入細胞では、GCVを作用させると4〜5倍にMHC class Iの発現が増強する現象が認められこれがCTLの誘導に関与する可能性が示唆された。 本研究において、HSV-TK/GCVによる治療で今まで報告されてきた直接的殺細胞効果、Bystander effectに加え抗腫瘍免疫の誘導効果が明らかになったことは臨床面からも再発の防止や、転移巣への治療効果等が期待され重要な意味を持つと考える。今後、in vivo遺伝子導入、他の泌尿器系悪性腫瘍への応用を含め検討していきたい。
|