研究課題/領域番号 |
05454446
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 崇英 京都大学, 医学部, 教授 (90026865)
|
研究分担者 |
高倉 賢二 京都大学, 医学部, 助手 (10221350)
福岡 正恒 京都大学, 医学部, 助手 (80243012)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | 局所調節機構 / 卵巣細胞 / 細胞分化 / 生殖内分泌学 |
研究概要 |
近年、卵巣機能の調節において、下垂体性ゴナドトロピンの作用を修飾する性ステロイド、細胞増殖因子や、サイトカインなどの卵巣内局所調節因子の存在が注目を集めている。本研究では内分泌因子・免疫因子も含めた卵巣内局所調節機構の統括的概念の構築を目指し、実験系としてブタ顆粒膜細胞単層培養系、およびヒト黄体化細胞培養系を用い、さらに幼弱マウスの排卵誘発系、ブタ、及びヒト莢膜細胞の単層培養系を新たに樹立した。その結果ブタ顆粒膜細胞系において、サイトカインをはじめとするペプタイド因子を局所において分解代謝しうるアミノペプチダーゼ活性が、ブタ顆粒膜培養細胞の細胞表面に存在していることが見い出された。さらにアミノペプチダーゼのインヒビターであるベスタチンの添加によりブタ顆粒膜細胞の黄体化が促進されることが明らかとなった。幼弱マウス排卵誘発系においても、ベスタチン投与で排卵が促進され、細胞膜表面ペプチダーゼが卵胞発育の調節因子として生理学的に重要であることが示唆された。またヒト黄体細胞において、別の細胞膜表面ペプチダーゼであるジペプチヂルペプチダーゼIVが排卵後の黄体化に伴い発現することが明らかとなり、その発現はヒト黄体化顆粒膜細胞培養系を用いて、フローサイトメトリー法で分析したところインターロイキン1、及び腫瘍壊死因子によって増強された。我々は末梢血リンパ球との共培養でヒト黄体化顆粒膜細胞のプロゲステロン産生が刺激されることを以前に報告しているが、今回新たにTリンパ球の細胞接着関連分子であるHLA-DR抗原およびLFA-3が黄体化に伴いヒト顆粒膜黄体細胞にも発現してくる分化抗原であることが明らかとなった。フローサイトメトリー法での分析の結果、これら分化抗原の発現もサイトカインで制御されており、排卵後の黄体形成期においても内分泌系のみならず免疫系も含めた調節機構の存在が強く示唆された。
|