研究分担者 |
中村 二郎 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50207883)
永田 啓 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90164433)
西田 保裕 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60237708)
山出 新一 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40117916)
稲富 昭太 滋賀医科大学, 医学部, 名誉教授 (90124742)
佐々本 研二 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80112514)
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研究概要 |
視覚の機能は2次元の網膜像を3次元の世界に再構築することである.このために,両眼視差,大きさ,陰影,紋様,動きなどの手がかりが使われる.このために,どのような状態でどのような手がかりが使われているかを仮想現実を用いて解明することを本研究の目的とした. Head mounted display (HMD)を製作した.水平17°,垂直13.5°の画角を有する液晶ディスプレイを用いて視標を呈示し,ディスプレイとレンズは水平,垂直,回転について調節可能で,斜視の眼位に対応できるようにした.また,このHMDは眼鏡あるいは試験用眼鏡枠とテストレンズを装用したまま,使用可能である.さらに,赤外線テレビジョンによって,眼球の位置と運動を観察し,角膜反射を用いて,測定,記録することができるようにした. HMDにはディスプレイの画角に合わせた一対の超小型のビデオカメラを取り付け,ビデオカメラとディスプレイの接続を切り替えることにより,正常な両眼視差(正立体)と逆転した視差(逆立体)の条件で実験を行った. 正常及び斜視の被験者を用いて,HMDを装用させ,HMD上のテレビジョンカメラで外界を写し、各種の両眼視検査を行った. 正常被験者では,逆立体においては,見慣れた対象は正しく立体を認識できたが,絡まったひものような複雑な対象は誤り,わとおしはできなかった.斜視の被験者では,正立体でも逆立体でも,どのような対象でもほぼ正しく立体を認識することができたが,わとおしは輪が動いているときのみ可能であった. 3次元の認識には両眼視差以外の各種の手がかりを使っているが,正常と斜視のように,両眼視機能の程度,外界の状況,また,個人差により,使用している手がかりは異なっている.
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