研究課題/領域番号 |
05454483
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児外科学
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
嶋武 博之 東邦大学, 医学部, 教授 (40010110)
|
研究分担者 |
牧野 駿一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (30157169)
佐地 勉 東邦大学, 医学部, 助教授 (50120275)
井上 玲 東邦大学, 医学部, 講師 (10151599)
逸見 仁道 東邦大学, 医学部, 助教授 (90165514)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | myc系がん遺伝子 / N-myc遺伝子 / 抗N-myc抗体 / 抗pan-Myc抗体 / サンドイッチ型ELISA / 神経芽腫 / 小児固型腫瘍 / 抗N-Myc抗体 / Myc系がん遺伝子 / N-Myc遺伝子 / 抗co-Myc抗体 / サンドウィッチ型ELISA / 小児がん |
研究概要 |
ヒトmyc系がん遺伝子はc-myc,N-myc,L-mycの3種が知られており、多くの腫瘍ではこれらmyc系遺伝子の異常発現が起こっている。神経芽腫ではN-myc遺伝子の増幅度と悪性度との間に相関があることから、腫瘍マーカーとして重要である。また、遺伝子増幅がなく、N-Mycタンパクを発現している予後不良例も知られており、遺伝子増幅の測定とともにN-Mycタンパクの測定も重要であると考えられている。 本研究ではmyc系遺伝子産物、特に、N-myc遺伝子産物であるN-Mycタンパクに着目し、本タンパクの高感度定量法の開発と臨床応用を目的として研究を行なった。 平成5年度は、遺伝子工学的手法を用いて作製した2種のN-Myc融合タンパクを抗原として、N-Mycタンパクの異なるエピトープを認識する2種のポリクローナル抗体(抗N-Myc抗体および抗pan-Myc抗体)を作製した。これら抗体の特異性をウェスタンブロット法で調べたところ抗N-Mycポリクローナル抗体は3種のMycタンパクのうちN-Mycタンパクのみを認識し、抗pan-Myc抗体はN-Mycタンパクおよびc-Mycタンパクを認識することが明らかになった。また、抗原タンパクと同様の手法でELISA用N-Myc標準タンパクを作製し、精製した。 平成6年度には主としてサンドイッチ型ELISA法の確立のための条件検討およびモノクロナール抗体の作製を行った。上記N-Myc抗原を用いて3種のモノクロナール抗体(抗N-Myc抗体)を得たが、いずれのモノクロナール抗体もELISA法には不適であった。前年度に作製した2種のポリクローナル抗体を用い、標準タンパクの検量曲線を作成したところ10〜200ng/mlの範囲での検量に成功した。そこで、N-myc遺伝子増幅神経芽腫細胞株5種および非増幅神経芽腫細胞株3種や非発現細胞株3種を用いて試料の調製法等の諸条件を検討し、それら細胞株のN-Mycタンパク量を測定した。神経芽腫細胞株ではN-myc遺伝子増幅非増幅に関わらず高値を示した。 今後、感度を上げるための測定系の改良が必要と思われるが、これまでに達成し得た測定系で、臨床検体中のN-Mycタンパク量を求め、予後判定等への有用性について検討していきたい。
|