研究課題/領域番号 |
05454485
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 重光 北海道大学, 歯学部, 教授 (80174928)
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研究分担者 |
野田坂 佳伸 北海道大学, 歯学部, 教務職員 (30184005)
鈴木 正嗣 北海道大学, 歯学部, 助手 (90216440)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 歯髄 / リンパ管 / 酵素組織化学 / 5'-ヌクレオチダーゼ / アルカリフォスファターゼ / 立体構築 / ヌクレオチダーゼ |
研究概要 |
歯髄のおけるリンパ管の分布と構築を明らかにすることを目的として、近年Kato(1989)によって開発された酵素組織化学的リンパ管検出法である5'-nucleotidase(5'-Nase)-Alkaline phosphatase(ALPase)二重染色法を用いてヒト歯髄のリンパ管を検索し、以下の結果を得た。 1.ヒト歯髄には5'-Nase反応陽性を示すリンパ管が存在することが、光学顕微鏡的、走査電子顕微鏡的、ならびに透過電子顕微鏡的に確認され、5'-Nase-ALPase二重染色法が歯髄組織におけるリンパ管の検索に有用であることが示された。 2.この染色法は、歯髄においても凍結切片標本とJB-4樹脂包埋標本の両者で有効であることが確認されたが、脱灰操作を行うと5'-Nase活性が消失するため、この染色法は取り出した歯髄で行う必要があることが明らかとなった。 3.管腔の広いリンパ管(集合リンパ管)は歯髄中央部に位置し、管腔の狭いリンパ管(毛細リンパ管)は歯髄中央部と歯髄辺縁部の両者に存在する。このことは、ヒト歯髄のリンパ管は歯髄の広い範囲から起こっていることを意味しており、血管系の分布とはかなり異なっていることが明らかとなった。但し、象牙芽細胞層中にリンパ管が存在するか否かについては今後さらに検討する必要がある。 4.樹脂包埋試料による連続切片標本を用いてヒト歯髄リンパ管の立体復構を行ったところ、リンパ管はその走行中に管腔の広さを著しく変化させること、およびその分岐形態は血管系とは異なっていることが明らかとなった。 5.リンパ管の数および分布範囲は、実験に用いた歯髄によって非常なばらつきのあることから、歯髄におけるリンパ管の分布には、個体差のある可能性が示唆された。
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