研究課題/領域番号 |
05454504
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
桂 暢彦 長崎大学, 歯学部, 教授 (30013840)
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研究分担者 |
小早川 健 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10153587)
小野 俊雄 長崎大学, 歯学部, 助手 (80050607)
田中 祺一郎 (田中 〓一郎) 長崎大学, 歯学部, 助教授 (50001954)
馬場 友巳 長崎大学, 歯学部, 助手 (60189727)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 石灰化 / コラーゲン / らせんフィラメントモデル / バイオミネラリゼーション / 骨 / 腱 / プラズマ重合膜レプリカ法 / 石灰化機構 / 原子間力顕微鏡 / プラズマ膜 / コラーゲン繊維 |
研究概要 |
骨や象牙質は密集したコラーゲン細繊維のネットワークに多量の微細なアパタイト結晶が沈着しているというのが電顕観察によって定着したイメージである。しかし、割断面の原子間力顕微鏡(AFM)像はそのようなものではなく、薄い平板の積層であって、繊維も微結晶も見えない。繊維に見えるのは何らかの原因で石灰化していないのであろう。この意外な結果はコラーゲンは本来シート状であることを示唆する。これを確認するため石炭化組織の観察を一時中止し、ほとんど純粋なI型コラーゲンで良く配向している腱を用いて繊維形態を見直すことにした。方法は乾燥以外には試料作製操作を要しないプラズマ重合膜レプリカ法を用いた。その結果、コラーゲン繊維は規則的な波状凹凸の表面を持ち、その周期は電顕での横紋(D周期)に一致する。AFMの結果も同様である。しかも薄い波状シートの積層であり、部分的に破れたシートの縁は丸まって細繊維状となっている。電顕での細繊維はシートの変形であろう。乾燥によりヒビ割れした繊維の側面も同じ波状である。全ての側面が同一の波状を示すのはその構成要素がラセンであるに違いない。石灰化しつつある腱のレプリカ像は多数のラセンフィラメントを示した。これは次のコラーゲンの階層構造を導くこととなった。(1)断面に二十数本のトロポコラーゲン分子が側方会合したD周期のラセンフィラメント。(2)これの側方会合による波状シート。(3)このシートの積層による板状物の形成。これは更に角柱、円柱、円筒等に変形する。これをラセンフィラメントモデルと称する。こりモデルにより特徴的な横紋、強靱な抗張力、石灰化していても新陳代謝できる等、これまで不可解であった多くの特性を説明できる。また、1/4ずれ説のホールは存在しない、シートのずれによる周期的間隙は初期石灰化の周期性も説明でき、桂の石灰化のナノスペース説とも矛盾しない。
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