研究概要 |
著者らはレーザの吸収効率およびその拡散を防ぎ,解像力を高めるために青色の色素を含有させた口内撮影専用(SP Type)のイメージングプレート(ID)を作製した。そして,そのIDをCR用ドラムスキャナおよび口内撮影専用のCRシステムDIGORAに応用した。そして,隣接面カリエス(抜去歯牙)および微細な骨変化(骨ブロックの薬品による脱灰)を実験的にシミュレーションし,カリエスと骨変化の検出能についてCRT画像診断と従来のデンタルフィルムとの比較を行った。さらに,DIGORAをインタフェースを介してCR9000と接続し,DIGORAで撮影した臨床画像を片側乳剤フィルムにハードコピーした。そして,臨床的診断能について従来のデンタルフィルムと比較し,次の結果を得た。 1.良質の画像を得るにはMTFとNEQのバランスのとれたIPが適していた。 2.50μm^2,100μm^2,150μm^2の3種類の読み取り,書き込みアパチャーサイズにおいてSP TypeのIPは最も高いMTFとNEQを示した。 3.SP TypeのIPはHR,ST,UR TypeのIPよりも高い診断価値を示した。 4.隣接面カリエスおよび微細な骨変化の検出能は従来のデンタルフィルムとほぼ同等であり,高い検出効率を示した。 5.DIGORAの臨床画像のフィルムへのハードコピーは従来のデンタルフィルム画像と同等かそれ以上の臨床的診断価値を示した。 結論:新しく開発されたIPを口内撮影専用のCR装置に応用することにより従来のフィルム画像と同等かそれ以上の臨床的診断価値を有する新しいデンタルイメージングシステムの可能性が期待できる。
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