研究課題/領域番号 |
05454516
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
栗原 英見 岡山大学, 歯学部, 助教授 (40161765)
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研究分担者 |
明貝 文夫 岡山大学, 歯学部, 助手 (50263588)
本行 博 岡山大学, 歯学部, 助手 (80243476)
中川 正嗣 (中川 政嗣) 岡山大学, 歯学部, 助手 (80243468)
磯島 修 岡山大学, 歯学部・付属病院, 講師 (90176256)
宮本 学 岡山大学, 歯学部, 助手 (40252978)
小林 芳友 岡山大学, 歯学部, 助手 (90234856)
永井 淳 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (70252989)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | Protein kinase C / Cyclic AMP / CD18 / CD11 / Intercellular calcium ion / Phosphorylation / Leukotoxin / Actinobacillus actinomycetemcomitans / 若年性歯周炎 / 好中球 / 走化能 / プロテインキナーゼC / LFA-1 / FMLP / cAMP |
研究概要 |
本研究では、若年性歯周炎患者にみられる好中球走化能の低下のメカニズムを細胞内シグナル伝達系を中心に捉えた。好中球の走化能の異常は遺伝的拘束性をもって全身的に現れるもの、歯周病病巣局所の感染細菌との相互作用の結果、局所的に異常が現れるものを想定した。始めに歯周病の進行と末梢血好中球走化能との関りを新しい臨床パラメーターを導入して検討した。その結果、1)末梢血好中球走化能の低下と他の好中球機能異常との組み合わせ、2)走化能は正常で、Actinobacillus actinomycetemcomitans(Aa)の感染があるものに分けられた。1)は、遺伝的拘束性を持ったもの、2)は病巣局所におけるAaと好中球の相互作用の結果が、歯周病の発症、進行に関わっているものと考えられる。そこで、遺伝的拘束性のある末梢血好中球の異常について細胞内刺激伝達系から、およびAaの産生するleukotoxinによる白血球細胞の刺激伝達系への影響を調べた。主な研究課題は次のものである。 1.進行性歯周病における好中球走化能の役割。 2.若年層歯周病における好中球走化能低下と細胞内シグナル伝達系i)若年性歯周炎患者由来好中球のprotein kinaseC活性についてii)走化性因子刺激による好中球の細胞内カルシウムイオン濃度の変動iii)早期発症性歯周炎とCD18/11分子の発現異常3.Aaの産生するleukotoxinによる白血球障害機序。protein kinaseC活性は走化能の低下した若年性歯周炎患者好中球で低かった。CD18/11分子の発現異常は構造遺伝子の異常としては捉えられなかった。 leukotoxinによる白血球障害機序はカルシウムイオン依存性蛋白燐酸化の亢進として説明できる。同じように早期発症型歯周炎を有する家族内の患者でもその病態は異なり、歯周病の病態の多様性が明らかになってきている。この病態の多様性は、宿主の細胞機能、生物学的活性物質、さらにはそれをコードする遺伝子を捉える必要がある。
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