研究課題/領域番号 |
05454535
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
平澤 忠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80064335)
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研究分担者 |
平林 茂 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30121130)
菊井 徹哉 奥羽大学, 歯学部, 助手 (00254871)
野口 八九重 奥羽大学, 歯学部, 元教授 (80083434)
福島 俊士 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60014205)
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 接着 / 歯質前処理前 / プライマー / フィチン酸 / フッ化錫 / 接着耐久性 / 接着試験 / 歯質前処理剤 / 前処理剤 / 耐久性 |
研究概要 |
本プライマーは、レジン系接着剤の歯質接着のための前処理剤として当教室で開発された。本研究では、接着性レジンセメントおよびグラスアイオノマーセメントの歯質接着における前処理剤としての効果、また、キャスタブルセラミックスおよび合成ヒドロキシアパタイトへの接着における前処理剤としての効果を、市販の各種機能性モノマーあるいはポリカリボン酸を含有するセメントを使用して検討した。その結果、いずれの接着系においても、非常に有用性が高いことが立証された。また、その作用機序に関する新たな知見も得られた。 歯質と異なり有機成分を含まないキャスタブルセラミックスやアパタイトに対する接着においても処理効果が認められたことから、歯質接着における本プライマーの作用機序として、フィチン酸と歯質の無機成分であるアパタイトとの化学的相互作用が考えられる。また、pHを上げ脱灰能を低下させたフィチン酸のナトリウム部分置換塩を代用した場合でも同様の効果が得られたことから、本プライマーの処理効果は、フィチン酸によるエッチング効果だけでは説明できず、フィチン酸を介して歯質に修飾されたSn^<2+>と機能性モノマーあるいはポリカルボン酸との化学的相互作用が主効果として考えられる。さらに、本プライマーはフィチン酸水溶液とSnF_2水溶液による2段階処理を行なうが、これらを混合して一液化した場合に、その処理効果が消失されるという実験事実は、前述した2つの実験事実とともに、我々の提唱する本プライマーの作用機序を指示する結果と考えられる。しかし、我々の提唱する作用機序はきわめて複雑であり、まだ推論の域を脱していない。今後、さらにESCAやIR分光分析のような機器分析を駆使して解明する必要がある。
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