研究課題/領域番号 |
05454540
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (80026921)
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研究分担者 |
吉田 博昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (40260624)
森家 祥行 京都大学, 医学研究科, 助手 (70221637)
藤田 茂之 京都大学, 医学研究科, 講師 (50228996)
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
宮木 克明 京都大学, 医学部, 助手 (50211595)
瀬上 夏樹 京都大学, 医学部, 講師 (40148721)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 顎関節内障 / ケラタン硫酸 / ヒアルロン酸 / コンドロイチン硫酸 / テネイシン / CD44 / MRI / 顎関節円板 / 細胞外基質 / コンドロイチン6硫酸 / コンドロイチン4硫酸 / 滑膜 / 外側翼突筋 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
関節円板前方転位症例に関する研究としてMRIにより関節円板の位置異常の検索を行った。 その結果、クローズドロックを伴う晩期の病期症例では、円板が前内方に高頻度におちこんでいるのに対して、クリックを伴う早期の病期症例では低頻度であることが判明した。またクローズドロック症例の顎関節鏡視下手術症例において関節腔内の癒着程度と開口量、癒着程度と痛みに相関性がある事が判明した。 これらの所見をもとに、関節円板前方転位症例における円板および前方結合組織の細胞外基質の量的質的な変化に関して、ヒト屍体から採取した顎関節を用い肉眼解剖的手法さらには免疫組織化学的検索を行った。その結果、位置異常の著しいヒト顎関節円板前方内側部にはケラタン硫酸、コンドロイチン-6-硫酸の高濃度の局在を認め、しかもその程度は位置異常の程度とほぼ相関すること、さらには重度の位置異常症例では強靭な弾性線維が関節円板前方部から外側翼突筋下頭に走行していることを証明した。同様の方法によって、顎関節手術症例より得た標本について検討し、特に位置異常の著しい円板前方内側部には同物質の局在を認め、屍体から得た結果と一致した。この結果より、重度の負担がかかる部位の変化に対して細胞外基質を中心とした生体の反応が生じているものと考えられた。 さらに顎関節滑膜の病態変化を観察、分析するために、CD44の局在についての免疫組織化学的研究を行った。結果は、伸展した円板後方部の滑膜表層や後部結合組織内の血管壁周囲の細胞間質にヒアルロン酸のレセプター様の陽性反応が認められた。これより同部位ではヒアルロン酸の産生がおこなわれているものと考察できた。さらに、TGF-βおよびテネイシンの分布についての免疫組織化学的研究を行った結果、伸展した円板後方部の肥厚した滑膜の表層や後部結合組織内に変形に応じてTGF-βとテネイシンの様々の陽性反応が認められた。これらのことから、免疫組織化学的分析は顎関節の病態の判定に有力な手段となると考えられた。
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