研究課題/領域番号 |
05454572
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部, 教授 (70012747)
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研究分担者 |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助手 (60245876)
荒田 悟 昭和大学, 薬学部, 助手 (20159502)
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 助手 (60054045)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | TGFβ / 細胞老化 / Znフィンガー / 遺伝子発現 / TGF-β1 / Zn-フィンガー / TGF-beta / cDNA / フオリスタチン |
研究概要 |
マウス骨芽細胞からTGFβ1で誘導される遺伝子をcDNAクローンとして6個分離した。それからいくつかについて細胞増殖における機能を解析した。第一にTSC-36と命名した遺伝子は分子量36kDaヘ新規蛋白質をコードするが、合成ペプチドを用いて作製した抗体による解析から細胞外に分泌される蛋白であることが明らかとなった。TSC.36蛋白質はフォリスタチンと相同性を示し、培養上清から部分精製した蛋白を細胞に加えたが増殖に有意な影響を与えなかった。 第二に、新規のZnフィンガーを含む核蛋白をコードするHIC-5遺伝子の機能について検討した。HIC-5cDNAは大腸菌で発現させると分子量55kDaの蛋白質をコードし、この蛋白質は二本鎖DNAに結合することが明らかとなった。動物細胞での発現プロモーターにHIC-5cDNAを連結して発現ベクターを構築し、培養細胞への導入を行なった。その結果HIC-5の発現は細胞周期進行には影響を与えず、無限増殖細胞の増殖を有限とする作用のあることが明らかとなった。このような遅延型増殖抑制を起こす遺伝子はこれまで知られていない。HIC-5発現ベクターを導入し、構成的に高い発現を示すクローンを分離しそれらの形質を調べたところ、HIC-5mRNAレベルの低いクローンに較べ細胞外マトリックス蛋白質およびWAF-1mRNAレベルが上昇していた。従ってHIC-5の発現は細胞老化と類似した変化を誘起することになる。HIC-5遺伝子が癌抑制遺伝子として働くかどうかは未知の問題であるが、細胞の多様な遺伝子発現を制御することから、クロマチン構造に何らかの機能を持つと考えられ、今後、分子レベルでさらに解析する必要がある。
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