研究概要 |
在宅で適用される例の多い、褥創処置,経管栄養,中心静脈栄養,吸入,吸引,在宅酸素療法,気管カニューレ,人工呼吸器,膀胱留置カテーテル,人工肛門,CAPD,自己注射の12の看護技術を取り上げ、以下の点を検討した。 1 在宅医療を受ける患者・家族への指導方法 患者や家族が在宅生活、或は介護で直面する課題を調べ、課題を克服する介護指導方法、とりわけ医療処置に関わる指導を具体的に検討するため、病院から訪問看護を受けている9事例の膀胱留置カテーテル挿入患者の家族介護者について、身体状態,知識,技術,病状理解状況,行動特性と、介護方法とを関連させて詳細に調べた。これにより、具体的な介護指導方法を示し、訪問看護の際利用できるモデル的なマニュアルを考案した。 2 保健婦の直面した看護技術上の課題の分析 2校の養成機関の卒業生575名の自治体保健婦を対象に、地域での活動における在宅療養者への援助実態と直面している看護技術上の課題を調べた。これにより、技術教育への要望、つまり、単なる個人研修ではなく、地域ケア体制作りの基盤の上に、必要時に技術研鑽できる機会を求めていることが明らかになった。また、新任保健婦臨床研修受講者2名への研修中及び終了後の面接調査から、研修効果と、保健婦臨床研修の企画に考慮すべき要因を整理した。 3 看護基礎教育課程における在宅看護技術の教育方法 2校の大学過程と1校の保健婦学校養成所の各看護技術項目毎の教育方法の現状を調べた。特に、大学過程では、同時に、臨地実習終了前後の57名の学生の看護技術の実施や家庭指導に関する自己評価を、学習機会とを関連させて調べた。これにより、基礎教育過程において、個々の技術教育がどこまで実施できるかが明らかとなり、教育方法の改革を促す基礎資料が得られた。
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