研究課題/領域番号 |
05454611
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小坂 博昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60158897)
|
研究分担者 |
久村 英嗣 大阪大学, 医学部, 助手 (50260633)
志賀 健 大阪大学, 医学部, 教授 (10028350)
渡邉 学 大阪大学, 医学部, 助手 (30182950)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
キーワード | ニトロソアミン / 一酸化窒素(NO) / 電子スピン共鳴 / 酵素飽和度 / ヘモグロビン / NO合成酵素 / 虚血再潅流 / 移植拒絶反応 / 酸素飽和度 / NO / サイトカイン / 腫瘍壊死因子 |
研究概要 |
環境中のアミンによるニトロソ化との関連を知る為、人の感染症のモデルをラットで作成しNO合成酵素の誘導の程度を調べた。サイトカインが上昇すると誘導型NO合成酵素も増加することを平成5年度に急性敗血症モデルにおいて明らかにした。またサイトカインを動物に投与するとインターロイキン1と腫瘍懐死因子の相乗作用によりNO合成酵素の誘導が増大することを明らかにした。炎症の程度を反映する血中サイトカイン濃度を測定したところ腫瘍懐死因子がNO合成酵素の誘導を調節する役割をはたしているという重要な結論を得た。ラット血中に出現するアルギニンからのNOヘモグロビン(Hb)の結合物の電子スピン共鳴(ESR)スペクトルが静脈・動脈で顕著に異なり、酵素飽和度の違いがスペクトルの変化をひきおこしていることを発見した。また種々の病態モデルでもNOの生成が上昇することをみた。私達はラット脳における虚血再潅流モデルではNOの最終産物NO_3が上昇し、NO-Hbが出現することを国内外を通じて始めて示した。また膵移植拒絶反応モデルでもNOが上昇することを調べた、人類はニトログリセリンを経験的に狭心症の治療に使用してきた。代謝されてできるNOがその薬理作用の本体であろうといわれだしたのもつい最近のことである。私達は、これらの冠拡張薬のニトロ基から、NOが生じていることを、安定同位体を用いて証明した。これら、NOの生成が増加する場合ニトロソ化をおこすポテンシャルをもっている。NOは生理的には善玉であろうと思えるが、スーパーオキサイドと反応して悪玉に変化すると報告されている。このように環境中にニトロソ化をうけるアミンが存在し、ビタミンC等が欠乏すれば、これらのNO生成の場において生じるであろうニトロソアミンは、長期的にみれば発ガン、短期的にみれば代謝される過程で肝障害をひきおこす等の可能性もあろうことを考慮に入れておく必要があろう。
|