研究概要 |
大腸菌の蛋白質膜透過装置を構成する各因子をそれぞれ均一に精製し、リポソームに再構成する実験系を用い以下の点を明らかにした。 1.新因子SecGを発見し、精製標品を用いて再構成活性を著しく促進する機能を持つことを示した。 2.膜透過活性を示す最小単位は、SecA,SecY,SecEから再構成できる。SecGをさらに再構成すると著しく活性が上昇する。 3.SecGはSecYとSecEが複合体を形成するのを促進する。 4.SecAの受容体としてSecY,SecEの両方が必要である。 5.SecGは膜透過に共役して膜内での配向性を変化させる。この変化はSecGによる活性促進に必須である。 また、SecG遺伝子破壊株を作製し、in vivoでSecGの役割を調べ以下を明らかにした。 6.SecG遺伝子破壊株は、37℃では生育可能であるが20℃では生育できない。 7.20℃での蛋白質の分泌はSecGを要求する。
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