研究課題/領域番号 |
05454635
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
河村 悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80138122)
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研究分担者 |
三輪 尚史 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40255427)
桑田 治 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (30255426)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | S-モジュリン / ロドプシン / ビジニン / 視細胞 / 順応 / カルシウム / リカバリン / リン酸化 / カルシウム結合蛋白質 / 網膜 |
研究概要 |
最近われわれは、カルシウム濃度依存的に視細胞の順応を制御している蛋白質S-モジュリンを発見した。ここの研究の途上、カエル網膜にはS-モジュリン類似物質であるs26が存在することに気づいた。本研究では、s26の構造と機能、網膜内局在について研究を行った。その結果、以下の事実が明らかになった。 (1)s26のアミノ酸配列 カエル網膜より抽出精製したs26から部分的なアミノ酸配列を決定し、PCR法によってs26の全アミノ酸配列を決定した。その結果、s26は同じカエル網膜にありながら、S-モジュリンに対してよりもビジニン(ニワトリの錐体特異的蛋白質)の方に高い相同性を有していることが明らかになった。(2)s26の網膜内での局在 (1)で明らかになったs26のアミノ酸配列とS-モジュリンのそれとを比較し、両者で似ていないアミノ酸配列が存在する領域に対するペプチド抗体を作成し、免疫染色によってs26の網膜内での局在を調べた。予備的な実験の結果、s26は視細胞層で発現されていることが示唆されている。(3)s26の機能 s26はS-モジュリンやビジニンと高い相同性を持つ。S-モジュリンがロドプシンのリン酸化を高カルシウム濃度で阻害することから、s26にも同様の作用があることが期待される。事実、s26はS-モジュリンと同様にロドプシンのリン酸化を阻害した。(4)他のS-モジュリン用蛋白質の機能の解析 S-モジュリン様蛋白質は網膜だけでなく、脳においても発現されている。しかし、これら蛋白質の機能はどれ一つ明らかでない。そこでこれら蛋白質がロドプシンのリン酸化を阻害するか否かを調べたところ、調べた7種の蛋白質すべてがロドプシンのリン酸化を阻害した。その結果、これら蛋白質もそれぞれの組織においてリン酸化をカルシウム濃度依存的に調節して生理機能を果たしていることが強く示唆された。
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