研究概要 |
1)分裂酵母S.pombeの成長の温度感受性変異株約900について、oligo dTによるin situ hybridizationを行い、制限温度において核にポリA-RNAが蓄積する株を新たに少なくとも7株、計11株見出した。これらの中で5株は特に有望である。 2)これらの変異株につき、成長のts性の相補性検定を行った。この結果少なくとも3つのグループがあることが示された。グループ1(ts60,S2)、グループ2(S22)、その他(H1,H6)。H1とH6相互については調べていない。 3)pDB248をベクターとする野生型ゲノムライブラリーにより、H6株のts欠損を回復する形質転換体が得られた。これから得られたDNAを大腸菌でクローン化し解析したが、結局確かに形質転換を行うプラスミドが回収できなかった。欠失、再編成等が起こってしまったためかも知れない。しかし、コスミドpSS10をベクターとするライブラリーによっては形質転換を行うコスミド(C-5)が得られて、マッピングを行った。H1については同じコスミドライブラリーから形質転換体は得られたが、コスミドが回収できなかった。 4)成長及びポリA-RNAの蓄積についてS22を野生型にもどすコスミドクローン#2(インサート32kb)が得られた。この中の8kb断片が少なくとも成長のts性を相補することがわかった。含まれる遺伝子を解析する予定である。 5)S22,ts60、WTにつき全RNAを調製し、これに含まれるポリAの長さの分布を調べたが、これらの間で有意な差はなかった。
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