研究課題/領域番号 |
05454649
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松居 靖久 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40241575)
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研究分担者 |
矢内 信昭 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80200525)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 始原生殖細胞 / 胚幹細胞 / 配偶子形成 / トランスジェニックマウス / c-Kit / SV40 ラージ-T抗原 / トランスシェニックマウス / SV40ラージ-T抗原 / 配偶子 / 増殖因子 / e-Kit / steel因子 / SV40ラージT抗原 |
研究概要 |
始原生殖細胞と、それ由来の細胞株であるEG細胞や、ES細胞は共通の表面抗原を発現しており、似た部分が多いと考えられるが、これまでこれらの胚幹細胞株から卵や精子への直接的な分化は確認されていない。そこで本研究では、始原生殖細胞としての性質を保ち、特定の条件下で配偶子に直接分化できるような細胞株の樹立をめざした。 まず、いろいろな純系マウスの8.5日胚始原生殖細胞を、膜結合型SI因子、LIF及びbFGFを加えて培養し、DBA/2マウス由来の細胞株の中に、初代培養した始原生殖細胞と似た、ゆるく凝集した細胞からなるコロニーを含むものを見いだした。この細胞株は、始原生殖細胞の特徴の一つである移動能をある程度保持しているものと思われたので、再構成生殖巣の移植により配偶子への直接的な分化能を調べた。雄の生殖隆起体細胞とDBA/2由来のEG細胞を混ぜ、マトリゲル上で培養して作った凝集塊を生殖細胞が欠損しているW/W^Vマウスの精巣に移植し、2カ月後に組織の解析を行った。始原生殖細胞から精細胞までを特異的に認識するがEG細胞とは反応しないモノクローナル抗体、TRA98による免疫染色を行ったところ、生殖隆起体細胞のみを移植したものでは染色される細胞はないが、体細胞とEG細胞を移植したものでは、少数ながら精細管辺縁部に陽性の細胞が見られ、移植したEG細胞が生殖細胞へ分化した可能性が示唆された。 また、もう一つのアプローチとして、c-Kitを始原生殖細胞で恒常的に過剰発現するトランスジェニックマウスから細胞株を得ることを考えた。生殖系列で特異的に発現するoct-3遺伝子の制御領域にマウスc-KitのcDNAをつないだキメラ遺伝子を使って得たトランスジェニックマウスで、導入遺伝子が精巣で発現していることを確認した。また予備的な初代培養実験では正常マウスに比べトランスジェニックマウスの始原生殖細胞の増殖が亢進することが示唆された。今後、細胞株の樹立とその配偶子への分化能についての検討を行う予定である。
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