研究課題/領域番号 |
05454659
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
塩坂 貞夫 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90127233)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 遺伝子導入 / アルツハイマー病 / センダイウイルス / 蛋白発現 / 神経細胞 / 中枢神経系 / 神経栄養因子 / 神経成長因子 / 線維芽細胞成長因子 / HMG / 細胞導入法 |
研究概要 |
高齢化社会に向けて、アルツハイマー病や脳梗塞などが原因で生じる痴呆症への対策が切望されている。最近、神経細胞間の情報連絡にたずさわるシナプス機構や、神経細胞の維持や発達に関与すると考えられている成長因子の多くが分子レベルで明らかにされてきた。そこで我々は、これらの分子を遺伝子レベルで任意の神経細胞内に導入することで、老化に伴い失いかけてきた分子を補うことができると考えた。近年、遺伝子治療が注目されているが、幾つかのウイルスベクターが利用されてきている。しかしながら、ヒトへの感染性を持つウイルス主体につくられていたり、癌化に関与する可能性があるウイルスが主体につくられており、安全性においてはいまだ未発達の段階である。我々が試みている遺伝子導入法はすでに神経細胞以外の培養細胞レベルにおいて導入可能であり、任意の遺伝子の発現に成功している。また、直接ラット、マウスの肝臓内への遺伝子導入にも成功しており、B型肝炎の構成成分のひとつであるエンベロープ蛋白質をコードする遺伝子を我々の方法により肝臓内へ導入したところ、B型肝炎モデル動物の作製に成功した。肝臓への導入においては組織レベルで毒性はほとんど見られなかった。この遺伝子導入法を、脳内への遺伝子導入に適応できるように改良し、脳内の目的の領域に任意の遺伝子を導入し発現させることめざすのが本研究の目的である。 本研究では以上の目的のための基礎研究として、ラット、マウス脳内の任意の神経核内に外来遺伝子を導入し発現させる系を作ることを目的とした。導入遺伝子は、発現細胞を組織学的に確認しやすいように大腸菌由来のβ-galactosidase遺伝子を利用する。導入方法は、基本的にはプラスミドと核蛋白質を共に封入したリポソームと細胞融合能をもつ不活性センダイウイルスを利用し、ラット海馬から得たprimary cultured cellsへ遺伝子を導入し、系を改良した。特に、導入効率を上げるために、リポソームの作成方法を工夫し、7週齢以降(成獣)のラット、マウスの様々な神経核内にβ-galactosidaseの発現がみられるかどうか確認した。その結果、ラット脳内において外来遺伝子の神経細胞内発現可能な方法を新たに考案した。
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