研究課題/領域番号 |
05454691
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大島 宣雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
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研究分担者 |
大川 敬子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (30251052)
柳 健一 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70239797)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 心筋 / 微小循環 / エンドセリン / カルシトニン遺伝子関連ペプチド、 / ランゲンドルフ潅流心 / 心筋、 / 微小循環、 / エンドセリン、 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 冠循環 / 血行力学 |
研究概要 |
近年注目されている血管作動性ペプチドである、エンドセリン(ET-1)とカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の心筋微小循環に及ぼす影響について検討した。 【方法】 1.生体顕微鏡下にラットのランゲンドルフ潅流心を用いて心筋の微小循環を可視化した。CGRPの血管拡張作用をET-1による前収縮(pre-contraction)を起こさせた心臓標本を用いて行った。ET-1の投与によって引き起こされた冠潅流圧の上昇が安定した後に、3pmoleから1000pmoleのCGRPを累積的に投与した。ET-1に対するCGRPの作用と比較するため、ニトログリセリン(NTG)およびイソブチルメチルキサンチン(IBMX)を同様に投与した。2.ET-1およびCGRPが心臓の収縮機能と心筋のエネルギー代謝動態に及ぼす影響を検討するため、ランゲンドルフ潅流心の冠潅流圧およびバルーン付きカテーテルにより左心室圧(LVP)とdP/dtを計測した。さらに、このランゲンドルフ潅流心を核磁気共鳴(NMR)装置のマグネット内において、^<31>Pの核磁気共鳴スペクトルの計測を行なった。 【結果】 1.CGRPを3pmoleから1000pmoleの投与量の範囲で、潅流液中に累積的に投与すると、冠潅流圧は用量依存性に低下した。CGRP は、冠潅流圧を低下させるとともに、心筋の細動脈を拡張させることが生体顕微鏡による観察の結果からも確かめられた。CGRP、NTX、IBMXの50%有効量(ED50)はそれぞれ、40pmole,200mole,10nmoleであり、CGRPの強力な血管拡張作用が確かめられた。冠潅流圧の上昇作用の点から評価したET-1のED50値は約30pmoleであり、CGRPはET-1とほぼ同じ用量効力をもつことが明らかになった。2.ET-1の投与により、心拍数は減少したのに対し、CGRP 同時投与群では一過性に増加した後、高い値を示した。一方、dP/dtは、ET-1投与により陰性変力作用が観察されたのに対し、CGRP同時投与により、陽性変力作用を示した。NMRによる観察では、ATP量については両群とも減少傾向を示したが、CGRP同時投与群では、その程度は若干軽度であった。また、計算された心筋pH値は、ET-1投与群で低下した。以上、ET-1の投与により、心筋の微小血管が強い収縮を示す結果、心臓に強い虚血性の変化がもたらされることが示された。この作用は、CGRP によって拮抗された。
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