研究課題/領域番号 |
05455006
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古市 貞一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50219094)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1994年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1993年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | イノシトール三リン酸 / IP_3受容体 / 細胞内カルシウム / カルシウム放出チャネル / セカンドメッセンジャー / トランスジェニックマウス / イノシトール3リン酸 / イノシトールリン脂質代謝 / イオンチャネル / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
IP_3受容体ファミリーに属するタイプ1、タイプ2、タイプ3受容体のcDNAクローニングとその構造機能解析を行い、IP_3誘導カルシウム放出チャネルの分子構造の全貌を明らかとした。組換えIP_3受容体cDNAを大腸菌や培養細胞で形質発現させ、受容体の機能ドメイン(リガンド結合部位、カルモジュリン結合部位、アスパラギン結合型糖鎖結合部位、チャネル部位)の構造を明らかにし、タイプによる構造と機能制御の多様性を明らかにした。また、タイプ特異的核酸プローブや抗体を用いて、各タイプの細胞・組織における特異的な発現分布を明らかとし、関わる生理機能がタイプ毎に異なることを示唆した。各タイプのマウス及びヒト染色体上の遺伝子座を決定した。また、本研究では研究が進んでいるタイプ1をさらに多角的に解析した。前骨髄細胞株HL-60の分化誘導や神経芽細胞株SH-SY5Yの慢性的ムスカリン刺激におけるタイプ1の発現調節機構を解明した。精製したタイプ1受容体を人工脂質二重膜腔に再構成して、単一タイプのIP_3誘導カルシウム放出のキネティクスを解析した。タイプ1遺伝子プロモーターと大腸菌β-ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)の融合遺伝子をトランスジーンとして発現するトランスジェニックマウスを作製した。これにより、タイプ1遺伝子発現を発生から個体活動を通してβ-ガラクトシダーゼ活性により容易に視覚化できるシステムを開発した(X-gal染色など)。更に、IP_3受容体以外のカルシウム増加に関わる各種機能分子(電位依存性カルシウムチャネル、リアノジン受容体、グルタミン酸受容体)の脳内発現を明らかとし、脳神経系における細胞内カルシウム動態の多様性を示唆した。 本研究によりIP_3受容体ファミリーの基本的な分子構造と機能制御の多様性および細胞・組織における発現分布の多様性が明らかとなった。これら多角的な研究成果は、IP_3誘導カルシウムシグナリングの多種多様な生理機能における役割を今後さらに解明する上で重要な手掛かりを与えた。
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